齢40歳のアラフォー記者が、ロック系ライブハウスの魅力を全国の皆様にお届けする「耳栓持参」のライブ・レポート第４弾。今回も、前回に引き続き「黒猫チェルシー」を追っかけて、圧倒的に若い客ばかりのライブハウスに足を運ぶ記者。初めて見た吉祥寺から約半年、前回の渋谷ＬＵＳｈ（ラッシュ）」の、ほぼ一ヶ月後、また渋谷まで来てしまった。今回は「チェルシーホテル」で、初見のワンマン・ライブの模様をお伝えする。

「チェルシーホテル」と聞くと、ニューヨークにある芸術家の巣窟「チェルシー・ホテル」を思い浮かべるが、そんなホテルが東京にあるはずも無く、「チェルシーホテル」は、渋谷東急ハンズの近くにあるビルの地下にあるライブハウス。このビルの上の階に、大食いタレントオススメのステーキ屋があって、隣のビルには怪しげな会員制の待ち合わせ喫茶があり、渋谷の若者をとりまく華やかさと“危うさ”両面が垣間見られる。今回は完売なのでチケットをもってないと中に入れない。デビューして１年やそこらなのに、すごい数のファンが会場を埋め尽くした。

前回、迫力のライブに喜びつつも、「黒猫チェルシー」ヴォーカル渡辺の激ヤセぶりに心底心配した記者、あの日は少年ナイフ他、いくつかバンドが出てきたけど、自首企画の今夜は、黒猫が「煩悩108切符」という爽やか系バンドに変身してスタート。デビュー前に作った曲などを披露した。それが終わり、なんか怪しい“童謡ロック”なる演奏をする「嘘つきバービー」という佐世保出身のバンドを挟んで、いつもの衣装に着替えた「黒猫チェルシー」の本領ライブに突入。３組出場となっているが事実上「黒猫チェルシー」と「嘘つきバービー」のツインという構成。いつもより長めのライブを楽しめる。

ま、いいのだが狭い会場にぎゅうぎゅうにお客が入っている「チェルシーホテル」の内装は埃っぽいシャンデリアと割れた鏡で「洋館のお化け屋敷」みたい。一応バンド名と会場はあってるけど、サテンで覆ったバックステージからぴょこっと出てくる若く元気のいい「黒猫チェルシー」はちょっとだけミスマッチ。上半身裸で暴れる渡辺クンは、「東京に出てきてから５キロやせた」といいつつも、前よりやや回復。まだガリガリだけどちょっと安心した。吸い付きたくなるようなキレイな肌だがエロさはゼロ。これからは記者がかつて夢中になったプリンスみたいに、少しは色気も出してね。ステージパフォーマンスは少し似てるんだし。

相変わらずギターの澤竜次と、ベースの宮田岳と、ドラムの岡本啓佑の演奏は上手い。渡辺より３人の演奏が見たくて来ている男性ファン（なぜか太った人が多い）も沢山いるらしい。熱い歓声と共に楽しい夜は更けていった。

（TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき）