今回の【ドラマの女王】は、いよいよ最終回の小泉孝太郎主演『コールセンターの恋人』(テレビ朝日系)。小泉孝太郎とミムラなんて地味で小粒な二人が主役なのに、なんだかんだいって今クール一番楽しめたこのドラマ。弟が選挙戦で大変な時に、のん気に女の子に振られて泣いてたりする都倉役の小泉孝太郎を見ていると、「この人はこれで良かったんじゃないか?」と思えたりもする。これでタレントとしては成功?次は、アノ人みたいに何か資格を取れ!
正直、スタート前はちっとも面白そうじゃなかった『コールセンターの恋人』。“いい意味”で期待を裏切られた。
小泉孝太郎を主役にして大丈夫なんだろうか?という不安もさることながら、「コールセンターの苦情係」で起こる“奇想天外”な出来事をミムラや若林豪などと推理し、「人情味溢れる解決にもっていく。」という斬新かつ画期的なこのドラマ。ひとまず孝太郎は、無難に主役を乗り切った。彼の代わりに神奈川県第11区で“声を枯らして”頑張っていた弟・小泉進次郎の宣伝にも少しはなっているハズ。 石原良純同様、政治家の家に生まれても、こういう生き方もある。次は、なにか“難しい資格”を取るのだろう。
『コールセンターの恋人』は、どんどん「モノ」を売り、「カネ」が流れる通信販売をテーマにしたストーリーなのに、なんか妙に「人」が輝いて見えたドラマだった。扱う商品も高枝切りバサミ、訳アリたらこ、万能懐中電灯、デジタルカメラ、ハワイの水、ダイエットDVD、高級缶詰、とお馴染みなものばかり。もう出すものが無いという設定で“売れ残り”を集めた「デキる男3点セット」の回は笑った。華やかなTV通販の裏での、苦しい企業の胸の内や、あざとい商売根性など見せ、今や通販が日本の「消費経済の縮図」のようなモノだと分かる。
しかし、電話の向こう側のお客にもペコリと頭を下げるミムラの演じるアオキョー(青山響子)や、個性豊かな仲間たち、アオキョーの過去に心を痛める若い主人公の都倉渉(小泉孝太郎)のような“善人”の登場人物たちが、何となくいいマイナス・イオンみたいなものを発し、見ていて気持ちが良かった。
古くさいテーマ曲に合わせて、女の子が踊る(振り付けは宮藤官九郎奥さんの八反田リコ。)オープニングで始まる通販番組を仕切る“すご腕カリスマ・ショッピングナビゲーター”南極アイス(名取裕子)。最初から最後までユーモアのある名取さんが凄い存在感を見せる。アシスタントのやるせなすの石井ちゃん。この番組限定のCMでは“こども店長”と共演中。出世したね。
そして、最終回にはまたまた黒柳徹子が投入され、オドロキの展開に!
「アオキョーは帰ってくるのか?」って、小泉孝太郎とミムラにあんまり「恋愛要素」が無かったこのドラマ。最後まで“仲間”で終わっちゃうの?どうまとめるか見逃せないラストである。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)