イタすぎるセレブ達

writer : tinsight-yokote2

【イタすぎるセレブ達】マドンナ、ルーマニア公演は悲劇のブーイング。

スロベニアで20日に予定されていたマドンナの『Sticky&Sweet』ツアーが、チケットの売れ行き不振によりキャンセルされたということを、少し前にお伝えしていた。やはり世界の国々にはアンチ・マドンナがいるものである。この度ルーマニアでのコンサートでは、ちょっとした一言から観客の大ブーイングが起きてしまったようだ。

マドンナがスロベニア・リュブリャナ公演を中止せざるを得なかった、9割の座席が売れ残るというひどいセールス状況。マドンナが神を冒涜していると長く批判してきた、ローマ・カトリック信者が多い国であることが敗因と言われている。

今回、ルーマニア・ブカレストで26日に開かれた公演で、マドンナは曲の合間にこう発言した。「ジプシーはロマってよばれる人たちよね。東ヨーロッパでは虐げられてきた存在で、とても気の毒に思うわ。世の中に差別などはあってはならないはずよ。」

コンサートが開かれたのは、1989年の「ルーマニア革命」まで独裁政権を続けた、共産主義者ニコラエ・チャウシェスクの豪華な宮殿のすぐ近くにある『Izvor Park』。会場の6万人はマドンナのその発言に、ブーイングを開始するか、あるいは急激に熱が冷えたかのように黙り込んだ。

マドンナはその様子を察知したが、反応は見せなかった。ロマ人は音楽や美術といった芸術の道に進む人の割合が高いとされ、そのコンサートにもたくさんのロマ人が客として、あるいはミュージシャンやダンサーとして居合わせたという。

公式発表では、ルーマニアには約50万人のロマ人が暮らしているとされるが、本当は200万人いるとも言われ、ルーマニアはもちろんだが、東ヨーロッパの国々では、いまだに偏見や差別と闘っているのが現状だ。

要するに「リッチ・セレブのマドンナに一体何が分かるんだ?一体何を変えてもらえるんだ?いいから黙って歌ってろ!」ということなのだろう。ワールド・ツアーをするアーティストらは、よくその国の歴史や政治、人種構成などを掴んでから出かけるか、あるいは余計なことを口にしない方がよさそうだ。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)