writer : techinsight

【映画行こうよ!】「婚カツ」女子必見!リアル草食系男子がここに・・・『童貞放浪記』。

短い夏の終わりに、こんなしみじみとした作品を一本。ベストセラー「もてない男――恋愛論を超えて」「帰ってきたもてない男――女性嫌悪を超えて」の著者で、評論家・比較文学者の小谷野敦の自伝的小説の映画化、『童貞放浪記』。勉強ばかりしてきた30歳の大学講師金井淳の現代版「ヰタ・セクスアリス」を、「蟹工船」(SABU監督)、「色即ぜねれいしょん」(田口トモロヲ監督)、など次々出演作が公開される注目の俳優、山本浩司が演じる。

金井淳(山本浩司)は勉強ばかりしてきた30歳の童貞男。東京大学大学院を卒業し、某大学の専任講師に就任。成績優秀でとんとん拍子で出世したが為に、酒ぐせが悪くイヤミな先輩講師(堀部圭亮)に絡まれ、その他の教授ともギクシャク。まともに話してくれるのは事務員の女性(内田慈)くらいだ。そんなある日、出張先で大学院の後輩、萌(神楽坂恵)に久しぶりに再会。初めて女性といいムードになった淳は、童貞を捨てる決意をするが……。

金井が気晴らしに出かける、ファッションヘルスでのお相手嬢(結城リナ)や、ストリップ劇場の“個室”でサービスしてくれる年増のお姉さん(速水今日子)など、普段あまり見る事のない風俗の職場で働く女性たちがユーモラスながらリアル。いい人で経済力もあるのだけど童貞。それがコンプレックスの金井は、お金を払っていながら彼女たちに常に低姿勢だ。少々かわいそうになる。

カッコよく、「女性の扱いに慣れた」男性ばかりがモテはやされる現代。しかしそういった男とつきあって、幸せになれる女性はとても少ないように思える。「婚活!」「お見合いパーティー」など、条件の良い相手探しに積極的な女性は多いのだが、それについていけない奥手でやさしい男性が多く取り残されている。そんな不器用な“草食系男子”の金井を悪役から労働者、ユースホステルのお兄さんまで何でも器用にこなす俳優・山本浩司が上手く演じている。

さて、気弱な童貞・金井は “Iカップの着やせ美女”神楽坂恵演じる萌と上手く添い遂げる事ができるのか?ラブシーンも必見だが、しみじみと男女の愛が芽生える土手を歩くシーンもいい。

映画『童貞放浪記』は、ヒューマントラストシネマ文化通りにて絶賛公開中。 金井の”放浪ぶり”をぜひ劇場で感じてほしい。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)