タイの各地で水害の被害が出ており、注意が呼びかけられている。豪雨による土砂崩れや床上浸水の今後の被害拡大が懸念されている。
写真はタイ北部ナーン県における水害被害の様子である。今月12日から大雨が降り、13日には写真のように船を使用しなければならないような状態になったのだ。30以上の家が倒壊し、被害は深刻なものとなっているという。ちなみに水深は1~3メートルあるというから驚きである。
こうした被害は、タイ北部ではほかにもチェンラーイ県やウタラティット県でも見られる。しかし、被害はタイ北部に限ったことではない。タイ全国の各地域で出ているのだ。
たとえば、タイ南部ナコンシータマラート県では、暴風・大雨により14の村が水に浸かった。それにより、電柱や大木、生産物に被害が出るとともに、400あまりの家が倒壊したという。
今後も被害の拡大が予想されており、最も注意が必要な県として挙げられているのは次のとおりである。
タイ北部ではメーホンソン県、チェンライ県、チェンマイ県、パヤオ県、プレー県、ウタラティット県、ターク県、ペーチャブン県である。
タイ東北部では、ノーンカイ県、ルーイ県、ナコンパノム県、またタイ中央部ではカンチャナブリー県が挙げられている。
そして、タイ南部ではプラジュアプキーリーカン県、チュムポーン県、スラータニー県、ラノーン県、パンガー県である。
最注意県として挙げられている17県の中で特に、北部と南部に多いのは、地元紙によると、北部は山が多く、その上近年、伐採が進んでいることによるという。そのため、豪雨による土砂崩れや洪水が発生しやすくなっているのだ。また、南部に多い理由としては、南部地域の降水量は他地域と比べて著しく多いことによるという。
もちろん、この17県以外に対しても注意が呼びかけられており、その数は全35県にのぼるという。
タイ南部や東北部では今年3月から4月にかけて、干ばつの被害に悩まされてきた。その数ヵ月後には、このように暴風・大雨による水害の被害に悩まされている。新型インフルエンザの脅威や自然災害の問題など、現在タイでは多くの問題を抱えている。
(TechinsightJapan編集部 若曽根了太)