writer : techinsight

【ドラマの女王】“メイド姿”より“着物”が似合う福田沙紀。『メイド刑事』

今回の【ドラマの女王】は、福田沙紀主演の『メイド刑事』(テレビ朝日系)。せっかくご主人様に仕える“メイド役”なのに無愛想な福田沙紀。“ツン”ばっかりでたいして“デレ”がないという、メイド萌えを期待した人にはガックリのこのドラマ。福田は映画『ヤッターマン』でヤッターマン2号の愛ちゃん役でもあるのだが、彼女の演技スタイルは実は冷めぎみ、若いだけで決して明るくないのだよ。そんなサッキー、先週は着物姿で舞妓修行だった。

見た目はカワイイんだけど、真面目すぎてかわいげのない葵の福田沙紀。もともとヤンキーで「水戸黄門」の助さん(原田龍二)の前だけ笑顔を見せる。的場浩司も出てるんだけど・・・・。

心に傷があり、元不良少女だった若槻葵(福田沙紀)。本当のご主人様は、大富豪の御曹司にて京都府警本部長の海堂俊昭(原田龍二)。海堂は、荒れる葵を一流のメイドとして教育してくれた恩人でもある。そしてメイド・葵の裏の顔は、泣く子も黙る警視庁特命刑事。捜査のメスが入りにくいお金持ちの家にメイドとして働き、必要とあらば(毎週必要!)特殊重合金を素材とした重さ2kgの「キューティ☆クリーナー」で悪者を排除し、事件解決に協力するのである。

『華麗なるスパイ』(日本テレビ系)同様、仏映画「ニキータ」(米版「アサシン」)、のような設定だがその根底に流れるのは、20年前の「花とゆめ」に連載された和田慎二による人気少女マンガ『スケバン刑事』。このマンガは斉藤由貴、南野陽子、浅香唯、近年ではあやや(松浦亜弥)により映像化されている。最終的には、単なるアイドルの“売り出しコンテンツ”になってしまった『スケバン刑事』は、元の伝説のハードボイルド少女マンガ・ファンの心をズダズダに引き裂いた。まさに原作○○○の代表作である。

そして、その『スケバン刑事』を下敷きとしてもはやパロディ?と言いたくなるような甘いつくりの『メイド刑事』。『スケバン~』の麻宮サキ役で人気を博した南野陽子のゲスト出演も控えている。先先週のゲストは中山忍。いいとこついている。葵の後輩のヤンキー少女役に話題のグラビアモデルのかでなれおん。でも特攻服だからスタイル良さわからず残念。

『スケバン刑事』ほど深刻なストーリーでもなく、せっかくコメディータッチなドラマなんだからニヒルでカッコイイばかりの葵じゃなくて、ドジってみたり、他のオトコにもときめいたり、いろいろな福田沙紀が見たい。今週の舞妓修行でお茶屋入り→でも舞妓姿ナシ。みたいなガックリを毎週続けるつもりか(着物はかわいかったが。)福田の表情もワンパターンでちょっともったいない。

一見暗い女優だが、『罪とか罰とか』、『山形スクリーム』(8月1日公開)とコメディ作品が続く同世代の人気女優、成海璃子の方が、(自らの体型を風船状態に膨らましたりと)福田よりもコメディエンヌとしての素質が高いのかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)