国内メーカー各社が、5月の生産、販売の集計を発表した。数字を見なくとも良い結果でないことは想像がついてしまうのが悲しいとこではあるが、それが事実である。しかし、その中にも、唯一の希望の光が見えた?
相変わらずの、自動車需要の低迷で、各社の発表した数字は、軒並み「減」である。しかも7ヶ月連続、8ヶ月連続といったオマケつきである。
販売台数は、前年同月比で、トヨタは58,1%、日産は64,7%、マツダは57,1%と軒並み40%前後のマイナスである。その上、生産に関してはこれ以上にマイナス幅が大きくなっている。販売台数の減少によって工場の停止、従業員の削減などによって、生産能力を絞っている上に、無駄な在庫を抱えることを回避する方針に切り替わっているのだから当然といえば当然である。
しかし、それらの数字の中に、明るい材料もある。国内、欧米、中東どこもかしこも不況のあおりを受けているが、そんな中にも、中国とインドすさまじい勢いの発展は自動車業界に希望の光をもたらす。
スズキは、インド等での生産台数が10ヶ月ぶりに前年を上回った。
また、日産の中国での実績は、「ティアナ」や「ティーダ」が台数増に貢献して、40,340台で前年実績を56.8%上回った。つい、マイナス56.8%ではないのかと目を疑ってしまう。
この数字が示すように、中国とインドのマーケットは「金のなる木」である。自動車業界はもちろんであるが、世界中の企業がそのマーケットに注目している。
近い将来、自動車氷河期の厚い雲が晴れるとすれば、ここからかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 ”自動車魂世界一”car journalist 木下)