野菜を摂ることは健康にも良いとされるが、ヴィーガン(絶対菜食主義者)の家庭では食生活が極端すぎると子供の成長に悪影響を及ぼすこともある。このほどベルギーの医師らがヴィーガニズム(絶対菜食主義)を子供に強要する親は起訴されるべきと主張したことで議論を呼んだ。『New York Post』『CNN』などが伝えている。
今月16日にベルギー政府の要請を受けて、諮問機関である「ベルギー王立医学アカデミー」が発表した内容が物議を醸している。「ヴィーガンは未熟児、子供、10代の若者、妊娠中や授乳中の女性には不適切」としたうえで、「自分の子供をヴィーガンとして育てる親は起訴されるように」と主張したのだ。
同アカデミーの発表によると、ベルギーでは肉、卵、乳製品、その他の動物由来の成分を含む食品を全く摂取しないヴィーガンとして生活している子供が推定3パーセントいるという。そして、これらの子供達が適切な食の管理がなされていない場合、栄養欠乏症や発育不全などに繋がる可能性があると指摘した。
今回のアカデミーの発表に関わった小児科医でもあるジョルジュ・カシミール教授(Georges Casimir)は、「もし子供がヴィーガン・ダイエット生活をするのなら、医療専門家のサポートやサプリメントの摂取、定期的な血液検査などが必要となってくるが、ほとんどのヴィーガンの親はそこまで対応できていないだろう。子供の成長にとって、肉や乳製品に含まれる動物性脂肪やアミノ酸は不可欠だ」と語る。
ところが健康を考慮する全ての団体や機関が、この発表を推奨しているわけではなさそうだ。イギリス栄養士協会では「充分に計画された植物ベースのヴィーガン食は全ての老若男女に対して健康的な生活を提供することが可能だ」と述べており、