まだ幼い子供を抱えたシングルマザーが、ステージ4のがんを宣告されたら…。その胸中は察することすら難しい。しかし32歳の母親は「残りの日々を前向きに生きよう」と決意し、Facebookでも自身の病を打ち明けた。がんと真正面から向き合うこの母親の強さや勇気に多くの人がインスパイアされ、現在サポートのために母親と5歳の娘に寄付金が集められている。『Manchester Evening News』などが伝えた。
英グレーター・マンチェスターのストックポート郊外に住むベッキー・ジェイコブスさん(32歳)は、これまで子宮頸がんを発見するための細胞診検査“パップテスト”を定期的に受けてきた。だが今年に入って痛みを感じるようになり医師の診察を受けたところ、子宮頸部上部が珍しいがんに罹っていることがわかった。
最初、医師はベッキーさんが訴えた痛みをストレスに関わる胃潰瘍だと思ったようだ。ベッキーさんは2017年に暴力的だったパートナーと別居して、5歳の娘マイラちゃんをひとりで育てている。しかしスキャン検査で子宮頸がんと判明、その後ベッキーさんはマンチェスターにある病院「The Christie(ザ・クリスティー)」で、辛い抗がん剤治療や化学療法を何か月も受けた。
医師らは子宮頸部のレモンサイズほどの腫瘍を取り除くことに成功したが、9月初めにがんが脊椎や骨盤、リンパ節に転移していることがわかり、ベッキーさんはステージ4と宣告された。ベッキーさんにとって、一番気がかりなのはやはり5歳になったばかりのマイラちゃんのことである。自分の病のことを周りにも隠したままにするのは嫌だと、Facebookでも病気のことをオープンに綴ったベッキーさんは、まだ幼いマイラちゃんにがんを理解させることは困難だと思い、ちょうど腫瘍の大きさがレモン大であったことから娘にはレモンのたとえを使って「ママのお腹には悪いレモンがあってね、具合が悪いからお薬を飲まなければならないし、病院にも行かなきゃいけないのよ」と説明したという。ベッキーさんはこれまでの心境を次のように話している。
「最悪の事態が起こった時のことも、自分では準備できています。あと半年生きられるのか、6年の余命があるのかはわかりません。でも、いつも物事を否定的ではなく前向きに捉えて生きて行こうと思っています。だからFacebookでも隠さずに病のことを打ち明けました。みんなには心配せずに接して、と伝えました。私ががんをオープンにしたことで、周りのみんなも自分の人生を見つめなおす機会を得たようです。」
しかし一時期は治療が辛く、家から外出できないほど疲れ切っていたこともあり、