2013年から心配の声があがっていたものの改善されることがなかった南米ベネズエラのハイパーインフレ。食料不足、物不足もすでに深刻化し、国民の8割が漫然とした飢えを訴えていると報じられていたなか、昨年からは殺して食べることを目的に動物園の馬が襲われるようになってしまった。今では野良犬を殺して食べる人も現れたことを英メディア『Mail Online』などが伝えている。
ハードワーカーも育ちざかりの子供も毎日の食事は2回で野菜と穀物ばかり。全世帯の3分の2は肉、卵、油脂といったものを買う余裕がないためタンパク質が不足し、子供の1割超が栄養失調を呈し、大人もどんどん痩せ細っている。こんな恐ろしい現実が伝えられている今のベネズエラ。ゴミあさりはもちろんだが、スーパーマーケットは常に商品が不足しており、トイレットペーパーでも食料品でも入荷すれば長い列ができるなど人々はひどく苦しめられている。
そんななか、ハリケーン・ハービーの被害に苦しむ米国にベネズエラ政府からの支援として5.4億円を送ったニコラス・マドゥロ大統領。これには「わが国民はこんなにも苦しんでいるのに」と反対勢力ベンテ・ベネズエラのハビエル・チリノス氏が猛烈に批判した。ついに野良犬が殺され食べられるところまで来ていると訴えたもので、首都カラカスのある通りで撮影されたという写真には2人の男が写っており、彼らの足元には殺されて皮を剥がされた後、内臓から肉まできれいにそぎ取られた野良犬の無残な姿がある。