台湾の男性がコーラをぐびぐびと飲んで昼寝し、起きようとしたところ体が麻痺して動かず、呼吸もままならなくなり救急搬送された。冷たくて甘い炭酸ジュースが美味しいこの時期だが…。
このほど台湾で、コーラを大量に飲んで昼寝をした高雄市在住の30歳の男性が3時間後にひどい体調不良に見舞われ、呼吸不全を起こして「Yuan’s General Hospital」に搬送されたことが伝えられた。ベッドから起きようにも体の力が抜け、手足が麻痺して動けなかったという。男性を診察した医師は今、「健康な方でも同じ症状に見舞われる可能性があります。空腹の時には特に気をつけて下さい」と話している。
ご存じの通りコーラ(ダイエットタイプは別)にはたっぷりの砂糖が含まれている。たとえば自動販売機で売られている缶入りサイズでは、1缶につき35g以上もの砂糖が入っているといい、その男性も大変な空腹の中でぐびぐびとコーラを飲み干したとのこと。急激な糖分摂取でインスリンレベルが上昇するが、インスリンはカリウムを血中から細胞内に移動させてしまう。その”コーラをぐびぐび”という行為こそが、男性を低カリウム血症の状態に導いたのであった。
ヒトのカリウムレベルが下がっても、軽ければ脱力感程度ですむ。それが進むと心筋を含む全身の筋力が低下し、不整脈、多尿・多飲といった腎臓の症状が出てくる。さらに重くなれば、この男性のように手足や呼吸筋まで麻痺してしまう。もしもこの男性を「もう少し横になっていた方が」などとそのまま寝かせていたら、命を落としていたというのだ。病院ではカリウム投与が3日間かけてゆっくりと行われ、その後男性は回復し退院したという。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)