エンタがビタミン

writer : mihorii

【エンタがビタミン♪】「ネコ刑事vsネコ怪盗」CGなし演技なし“猫の手も借りた”企業動画の不思議な説得力。

インターネット上でよく見られる動物の動画。犬や猫、その他の動物たちが見せる仕草や表情に、人間は笑ったりほろりとさせられたりする。当たり前だが、計算などない彼らが与えるインパクトに、ときに我々人間は敵わない。今回ある企業が猫を使ったウェブ動画を作成、公開している。いまさら猫? 加工技術を使って猫が不自然な演技をする動画では? と少々意地悪な先入観を持って動画を観てみた。が、そこにはCGなどは使われておらず、観ているうちにじわじわと「来る」のだ。

1日より配信されている、動画『ニクキュウ刑事 VS 怪盗ニャルセーヌ〜レイク店舗に隠された宝を追え!〜』は、刑事に扮した『ニクキュウ刑事』と、怪盗に扮した『怪盗ニャルセーヌ』の2匹のネコが繰り広げるドラマ仕立ての動画だ。リアルな猫たちが見せる素の表情が何とも愛らしく、思わず微笑んでしまう。もちろん一切CGなどは使用していない。

ある日の昼下がりの特殊捜査二十二課。自称「特殊ネコ捜査班に所属するベテラン刑事」の『ニクキュウ刑事』は、女性刑事の腕の中で頭を撫でてもらいながら、今にも眠りそうな様子でまどろんでいる。お昼時間になりランチをとろうとする『ニクキュウ刑事』のもとに『怪盗ニャルセーヌ』からの挑戦状の矢が窓から飛び込み、キャットフードに突き刺さる。が、そんなことはお構いなしに黙々と食べ続ける『ニクキュウ刑事』の姿にまず爆笑である。

挑戦状には「とあるお店に私が盗んだ宝を隠したよ。ヒントは駅前によくある緑のカンバン。わかるかな~? 見つけてみてね!」と書いてある。ヒントを元に駅前にある緑の看板の『レイク』を発見し、階段を登っていく『ニクキュウ刑事』。しかし目の前のドアは開かない。猫だから当たり前であるが、そこでもくすっと笑ってしまう。すると後ろから人影が現れ、無事に店舗潜入に成功する。初めての店内に少々戸惑うが、異常が無いと分かると喉を鳴らし自由にくつろぐ刑事の素の姿に、撮影側の忍耐が感じられる。ちょいちょい出てくる猫たちの証言VTRも更に笑いを誘う。自由な行動をしている証言猫もいれば、本当に証言しているように見える猫もいる。

今回の動画は『新生銀行カードローンレイク』が無人店舗に対する不安を解消するために制作したものだという。動画は「結論:特に怪しいところなし」と『ニクキュウ刑事』が結論づけて「完」となる。はたして、これで無人店舗に対する不安が解消されるかどうかは別として、人間側の都合を一切押し付けず、ひたすら猫の素の行動に忍耐強くついていき、作成したことに感心させられる。肝心の無人店舗での借り入れとはいったいどのようなものなのか、についても未経験者にとってはなかなか参考になる内容でもある。

多くの企業が様々な動画を日々公開する中、まさに「猫の手も借りたい」と思って制作されたのか。いずれにしても、あえて不自然なCGを使わず、動物に無理な演技をさせることもないこの動画には不思議な説得力があるようだ。

特設サイトURL:http://lake-neko.jp/

(TechinsightJapan編集部 みほりー)