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writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】犬から輸血されて命拾いした猫。獣医も「いちかばちかだった」。(米)

世界でも珍しい犬と猫の「異種間輸血」に成功したという話題がアメリカから飛び込んできた。よほどの緊急事態でなければ行われないそうした輸血、獣医はいちかばちかの決断を迫られたもようだ。

この画像は英メディア『mirror.co.uk』が伝えているその記事のスクリーンショット。左の猫は、米フロリダ州キーウェストのアーニー・サンダースさん宅で飼われているメスのバターカップちゃん、ひどい脱力症状を呈するようになり、検査したところヘマトクリット値(血液中の赤血球の割合)が7%にも低下しており、貧血と判明した。そして隣の犬はグレイハウンド犬。この猫に輸血されたのは、グレイハウンドの全血から分離した赤血球で、血液バンクから入手したものであった。

長い歴史の中でほとんどが失敗に終わるもまれに成功例があり、是非論が飛び交っていた「Xenotransfusion」と呼ばれる別の動物同士の輸血。今回のケースでこれが行われた理由について、「マラソン動物病院」のショーン・ペリー獣医は地元メディア『Keysnet』に、「犬の血液が猫に輸血されることは通常はありません。しかし猫の血液の在庫がなく、血液バンクから届くのを待つだけの時間的余裕がなかったのです。幸いバターカップは拒絶反応を起こしませんでした」と話している。猫の輸血用血液パックは1匹の猫から採血できる量がわずかということもあり、常に在庫不足の状態だという。

昨年8月にはニュージーランドで猫がラブラドール・レトリバー犬から輸血を受け、一命をとりとめており、ペリー獣医も「成功例もあるわけですから、私もいちかばちかでその方法を選択してみました」と話している。人間にあるA、B、O、ABといった血液型が犬や猫にもあり、適合しないと致命的な拒絶反応が生じる可能性がある。血液型の判定キットに加え、血液を与える側ともらう側についてクロスマッチ(血液交差適合試験)での検査も必要だという。猫に犬の血液を輸血した場合、凝固は起きないが1週間で抗体が作られ、2度目の輸血を受けることは叶わないそうだ。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)