米国発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【米国発!Breaking News】落雷に遭った臨月の妊婦、無事出産も赤ちゃんに重い後遺症。(ニューメキシコ州)

米ニューメキシコ州で昨年の夏、臨月の妊婦を落雷が襲うアクシデントが発生していた。奇跡的に女性の命は助かり、帝王切開により無事赤ちゃんを出産。しかしその子に重い障害が残ったことをこのほど両親が英メディアとのインタビューで告白した。レジャー本番でもあるこの時期、落雷被害の怖さをあらためて学んでみたい。

アメリカで昨年、「落雷にも無事誕生した奇跡のベビー」と呼ばれて大きな話題となったキンバリー・ヴィラヌエバちゃん(画像はYouTubeのスクリーンショット)。2013年7月4日、ニューメキシコ州アルバカーキで突然の雷雨に遭い、夫のゴードンさんとともに木の下に避難したのは当時妊娠38週とまさに臨月であったケンドラ・ヴィラヌエバさん。稲妻の電圧、電流については200万~10億ボルト、1,000~20万アンペアともいわれ、落雷被害に遭った場合の致死率は30%にもおよぶが、稲妻はそんな夫妻を襲い、ケンドラさんのお腹を致死的な量の電流が突き抜けた

稲妻がもたらしたプラズマにより、体が一瞬浮き上がってから倒れた夫妻。周囲の通報によりアルバカーキ消防署の救急車で病院に搬送され、ケンドラさんにはお腹の中の赤ちゃんは絶望的という中で緊急の帝王切開が施された。奇跡的に命をとりとめた3人であったが、残念ながら神経の損傷は免れず、キンバリーちゃんは1歳の今も自力で座ることやハイハイ、食べ物の咀嚼などが難しい。またゴードンさんは右耳に、そしてケンドラさんは左手親指に障害が残ってしまったことを英メディア『mirror.co.uk』が伝えている。

夫妻の家系には極めて珍しい針金のようにまっすぐな髪質で誕生したキンバリーちゃんを、“可愛いフラッシュ”と呼ぶ父親のゴードンさん。「1930年代のコミックに、胸に稲妻のマークをつけものすごいスピードで疾走する“The Flash(ザ・フラッシュ)”という架空のヒーローがいたんですよ。チューブでしか食事を摂れない様子を見るのは辛いけれど、この子は生きていてくれるだけで奇跡、嬉しいです」と話す。

しかし雷を避けるために木の下に逃げ込むという夫妻の選択は大変な誤りであった。木には雷が落ちやすく、間接的な感電の典型例となってしまう。ここで改めて間違った避難方法、賢い避難場所、誤解していた落雷の常識などをおさらいしてみたい。

■光ってから雷鳴まで間隔があいていると安心してはならない。上空に雷雲が立ちこめていたら、いつ落雷があっても不思議はない。
■傘、ゴルフクラブ、釣り竿は持たない。
■水たまり、プール、池、釣り堀などから出来る限り離れる。ゴム長靴を履いていても同様。
■自転車とオートバイは危険だが自動車の中は安全。ただし金属部分に触れないこと。
■2012年夏には大阪・長居公園の野外音楽コンサートで10人が落雷の被害に。大きな音量や照明で雷に気づかないことも。
■公園、ゴルフ場、浜辺など平らで広大な所が最も危険で、続いて高い木々や塔などそびえ立っているものの下に避難することが危険。
■落雷の危険性のある建物の「軒先」は危険。建物内部の中央まで進むこと。
■金属性のアクセサリーや歯の有無は関係ない。
■車や安全な建物など避難場所がない時は、荷物を離れた所に下ろして以下のポーズをとる。「腹ばい」はダメ。
・体勢を低くし、体を丸めてしゃがむ
・両手で耳を覆う
・左右のかかとを突き合わせ、地面との接地はつま先だけにする
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)