エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】バンドL⇔R(エルアール)がテレビ出演。活動休止から16年を経て真相を語る。

月9ドラマ『僕らに愛を!』のテーマ曲や数々のCM曲がヒットしながらも突然活動休止したバンド・L⇔R(エルアール)のメンバー2人が、音楽バラエティ番組『1番ソングSHOW』にVTRで出演した。彼らが活動休止した理由はこれまでハッキリと語られなかったが、ボーカルの黒沢健一・秀樹兄弟からその真相が明かされた。

1991年にミニアルバム「L」でデビューしたL⇔Rは、当時の人気女優・清水美砂、牧瀬里穂、中江有里、今村雅美が出演して話題となったポッキーのCMや映画「四姉妹物語」とタイアップした楽曲「HELLO, IT’S ME」などがヒットした。1995年には江口洋介が主演した月9ドラマ『僕らに愛を!』のテーマ曲「KNOCKIN’ ON YOUR DOOR」が130万枚を超えるヒットとなり、オリコンで週間1位も記録している。

その洗練されたサウンドはアーティスト仲間からの評価も高く、広いファン層から支持されて彼らの人気は上昇、1996年には初の武道館ライブも成功させた。だがそんな矢先の1997年に、活動を休止してしまったのだ。解散ではなく活動休止とされているが、その理由は明確にされていないままである。

5月29日の『1番ソングSHOW』のコーナー「リスペクトアーティスト あの人に逢いたい」では、そのL⇔Rを取り上げた。主要メンバーの黒沢健一(ボーカル・ギター)にインタビューすることができ、彼の姿が久しぶりにテレビに映されたのだ。彼は現在もソロ活動を続けており、今年の6月12日には4年ぶりとなるアルバムをリリースする予定だという。

さらに彼の弟でもある黒沢秀樹(ギター、ボーカル)に連絡を取ってもらい、会うことができた。彼は活動休止後にフォークデュオ・ゆずのサポートミュージシャンをしていたが、今はソロアーティストとして活動している。「収入はきついし不安定ですね。本当にヤバイ状態です」と笑いながら明かすが、なかなか大変そうだ。

弟の黒沢秀樹にL⇔Rの活動を休止した理由を尋ねてみると、「メインのソングライターは兄の健一で、彼がエンジンのようなものだった。エンジンがぶっ壊れちゃったんですよ」と語る。ある日、今となっては最後となるアルバムを作っていた時に「途中から兄貴がいなくなっちゃって…」と彼は当時を振り返った。

その話を兄の黒沢健一に確かめると、「そこら辺の記憶が曖昧で、都合よく忘れてる」と笑いながら答えており、正確には思い出せないようだ。しかし彼は「たぶんいなくなりたいっていうか、切羽詰っていたんでしょうね、自分が」、「これは冷静にならないといけないなと思い、スタジオから逃げ出した」と話していることから、人気が急上昇したために音楽活動に追われて精神的にギリギリの状態だったと思われる。

だがベースの木下裕晴が今も黒沢健一のツアーを手伝うなど、メンバー3人の交流は続いているのだ。黒沢秀樹は兄の健一にL⇔Rの活動再開について「またやらないの?」と何度か尋ねるが、煮え切らないそうだ。健一は「みんなでお茶したり、食事するのは平気だけど、音楽で何をやるかとなると頭が真っ白になる」とその理由を語った。

前述の黒沢健一が6月にリリースするアルバム「Banding Together in Dreams」では、弟の黒沢秀樹とベースの木下裕晴もそれぞれ参加しているという。彼が7月からライブハウスを中心に全国7か所で行う「黒沢健一 LIVE TOUR 2013 “Banding Together”」にもその2人が飛び入りする可能性もありそうだ。

今回の『1番ソングSHOW』の内容を取り上げた関連サイトではL⇔Rの件が話題となっており、「最初は4人だったんだよなあ…」といった初期メンバーの嶺川貴子(キーボード)の情報や、「“アイネ・クライネ・ナハト・ミュージック”はかっこいい」など当時を思い出した視聴者もいた。今でもL⇔Rを聴いているがまったく古びてないというコメントもあり、彼らの再活動に期待が高まる。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)