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writer : maki

【エンタがビタミン♪】「モデルは“スラムダンク”だった」。アメフト漫画『アイシールド21』誕生の裏話。

漫画・アニメとして人気のある『アイシールド21』はアメリカンフットボールを描いたものだ。原作者の稲垣理一郎氏がラジオ番組に出演した際に、アメフトを舞台にしたいきさつを語った。そのきっかけとなったのはあの人気漫画『SLAM DUNK(スラムダンク)』だったというのだ。

本場米国では最も人気があるスポーツとされるアメリカンフットボールだが、日本でもファンが多い。そのアメリカンフットボールをテーマにした漫画『アイシールド21』は2002年から2009年まで少年誌に掲載され、テレビアニメにもなった人気作品だ。原作の稲垣理一郎氏が、ラジオ番組『Suntory Saturday Waiting Bar “AVANTI”』に出演して『アイシールド21』の誕生について語った。

井上雄彦氏がバスケットボールを舞台にして描いた『SLAM DUNK』は1990年から少年誌に連載が始まっている。稲垣氏もその愛読者だったようだ。同作の一番の見どころといえるのは、湘北高校と山王工業高校の試合でのひとコマだ。山王工業の野辺とリバウンドを競った主人公の桜木花道が考え抜いた末に、審判に見つからないようにユニフォームを引っ張ってリバウンドを取る場面がある。

それを読んだ稲垣氏は衝撃を受けた。「主人公なのにこんなマネをするとは、なんて奴だ!」彼は大笑いすると、すっかり桜木花道のファンになったのである。桜木のように勝つ為にはどんな方法も考える選手を主人公にしたいと考えた彼は、バスケットボールではなくアメリカンフットボールを舞台にして“蛭魔妖一”にその役を託したのだ。

最初の主人公は蛭魔妖一だったのである。クレバーなプレイで、目的の為には手段を選ばないが誰よりもアメフトを愛す。そんな彼のキャラクターは桜木花道ゆずりといえそうだ。蛭魔は後輩の小早川瀬那を選手登録名“アイシールド21”に仕立て上げ、やがて主人公は瀬那となっていく。

稲垣氏は「純粋に勝つ為の手段を考えて行動する」そんな桜木の魅力を抽出して、蛭魔に入れ込んだようだ。アニメでは蛭魔の声を田村淳(ロンドンブーツ1号2号)が担当しているのだが、彼の風貌がリアルな蛭魔のようにも感じられるのがおもしろい。今もファンの多い『アイシールド21』だが、原点が『SLAM DUNK』の桜木花道と考えるとより楽しめそうだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)