エンタがビタミン

writer : miyabi

【エンタがビタミン♪・番外編】「立派な千秋楽を迎えることを考えています」。亡くなった金子哲雄さんとの1年4か月を、おおたわ史絵が語る。

2日、肺カルチノイドのため41歳の若さで亡くなった流通ジャーナリスト・金子哲雄さん。彼と同じ所属事務所で医師のおおたわ史絵は、本人から病状を知らされていた数少ない人物であった。

おおたわは昨年の6月ごろ、あるテレビ局で金子さんから話しかけられた。「肺に影があるって言われたんです」。その日から彼女は病で苦しむ金子さんを、そっと見守ってきたのだ。

10月3日放送の『爽快情報バラエティー スッキリ!!』(日本テレビ系)内のインタビューでおおたわは、金子さんから病気を打ち明けられてからの1年4か月の経緯を冷静に語った。

検査結果が出るとすぐに金子さんは、おおたわに連絡してきたそうだ。そこで病名と手術が不可能なことなどが明かされた。おおたわは「彼は勉強熱心なので、病気のことを色々調べたんでしょう。でも調べれば調べるほど、悪い結果しか出てこなかったと思う」と遠くを見つめる。

所属事務所は“病名を公にせずに仕事を続けたい”という金子さんの意志を尊重し、全力で支える方針だったそうだ。愛する家族やスタッフの励ましを受けて、「病気に負けない」と前向きに彼は頑張っていたという。しかし明るく振舞っていてもおおたわには、“死ぬのが怖い”とメールを送ってきたこともあった。本音が言えるほど彼女への信頼は厚かったのだろう。

今年6月のテレビ番組の特番で金子さんと一緒に出演した、おおたわ。収録時間が長かったので、病状が進み体調が悪かった彼にとって大変辛い仕事であったようだ。おおたわは金子さんの手を握り、「もう少しで(本番が)始まるから頑張ろうね」と本番間際の舞台のそでで、何度も彼を励ましていたそうだ。その様子を見ていた金子さんの病気を知らない番組スタッフが「何を頑張るんですかぁ?」と、笑っていたというのも仕方が無かったことだろう。

自分の死を覚悟し、毎日を精一杯に生きていた金子さん。「立派な千秋楽を迎えることを考えています」。これが2週間くらい前におおたわが彼から送られた、最後のメールであるそうだ。

金子哲雄さんのご冥福をお祈り致します。
(TechinsightJapan編集部 みやび)