モデルの神子島みかが、子ども時代から活躍を続けるレーサーの世界から身を引いた理由をブログに綴っている。彼女はこれまでに二度セクハラを受けたことを明かしており、それが原因となってレーサーを続けることを諦めたという。しかし、その体験を乗り越えて再びレースの世界に復帰したことも報告しているのだ。
雑誌「小悪魔ageha」のモデルやタレントとして活躍する神子島みかは、FJ1600・富士シリーズチャンピオンの経験を持つレーサーでもある。しかし、昨年からレース活動を行っておらず“引退”説も出ていた。
その神子島みかが10月6日にブログ『キラ盛り小悪魔ブログ』で、「My life race」と題して自身のレース人生を振り返っている。その中には、二度にわたるセクハラ体験により好きなレースの世界から離れてしまった事実も赤裸々に綴られている。
彼女は父親がレーシングドライバーの神子島隆であったことも影響して、小学2年生の時にはレーシングカートを始めている。小学生ですでにタイトルを総なめにする活躍を見せたのだ。14歳の時には年間王者になった彼女だが、なぜか15歳でレース界を離れている。
テレビ番組などで彼女はその理由について「周りの期待に重圧を感じた」と話していたが、ブログではさらに別の事情を記しているのだ。中学生になった頃に「今の時代の言葉を借りるならセクハラ?になるのかな…嫌な思いをした」というのである。「それ以外にも言えない“事情”はあって、嫌過ぎて忘れたくて無かったことにしてた」というほど辛い経験だったようだ。そのことに耐えてきた彼女だが、15歳で限界を感じて「思春期と2年間の我慢がレースを越えてしまって、全日本カート選手権シーズン中にあたしは消えました」と明かしている。
しかし、「18歳。身体のウズきがピークをむかえサーキットに帰ってきた」という彼女は、それまでとは別のフォーミュラ界に場を移してその年のFJ1600・富士シリーズチャンピオンを獲得するという快挙を果たしたのである。彼女はそれからも速くなりたい一心で、服部尚貴率いる「Team Naoki」に加入する。この時彼女は、服部尚貴に「来年チームナオキで乗せてください」といきなり直訴して呆れられたが、走りを認められて彼からは特別に“服部尚貴賞”を貰っている。
この頃から神子島みかは、雑誌「小悪魔ageha」でモデルとして活躍するが、一方でレースの方は自身の納得がいく走りが出来ない日々が続いていた。モデルとして多忙になった彼女は、「(車に)乗れてない自分がテレビに出ることが怖くて…」という心境だった。そんな自分が情けなくなり「心が負けた。自分に負けた。スタート前から涙が出た」と彼女はトイレで泣き、レースクイーンから笑われた日々を振り返る。
やがて「ドライビング不感症になったあたしは、しばらく乗るのをやめた」という理由でレースを離れることになった。だが、まだ何も知らない彼女に車の構造を教えてくれたエンジニアさんから「S-FJの開発を手伝ってほしい」と声がかかり、3か月ほどでサーキットへ戻ることができたのだ。
彼女はその翌年、「もっとまた感じたくて、一体化したくてまた無我夢中で乗った」という。“ドライビング不感症”を克服し、自身も納得する走りができたのだ。「勝った。3年ぶりの優勝だった」とその結果に喜ぶ彼女は、「絶対諦めちゃいけない! 諦めなければこんな感動を味わえるんだ!って学んだ」と話す。
ところが、「その年の夏。レースで地方に行っている時、夜の宴の席でレース関係の方にセクハラをされました」と二度目のセクハラ体験を明かすのだ。今回は21歳を過ぎており、モデルとしても活躍している状況での出来事だった。彼女は「最後まではされませんでしたが信用していた方だったので」とその内容に触れるが、具体的な表現が難しく「これ以上は書けません。これがあたしが20か月レースを離れた理由です」と昨年からレースを離れていた真相を述べたのである。
当時は辞めると決心していた彼女だが、葛藤から泣きはらした夜もあったという。そんな20か月を乗り越えて「でもまた乗りたくなっちゃった。あたし懲りない奴だから、この麻薬みたいなレースの虜だから」と復帰を報告している。しかし今度は「復帰してもほぼ未経験のハコ車…」ということで、フォーミュラでなくツーリングカーレースで走るようだ。ブランクも長かったのでまだ心から車に乗れていないという神子島みかだが、「もうFCJの時の弱さはありません。絶対不感症乗り越えます!」と決意を示していた。
小学生の時から敏腕レーサーとして活躍しながら、モデルとしても人気を集める神子島みかは“サーキット界の浜崎あゆみ”と呼ばれる華やかな存在だ。その彼女がこのような辛い経験をしていたとは思いも寄らなかった。しかし、それを乗り越えてレーサーとして再スタートした彼女はさらにパワーアップしていくはずだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)