お笑いコンビ、オリエンタルラジオの藤森慎吾がチャラ男キャラで使う言葉「君、きゃわゆいネェ」が、今年の『ユーキャン新語・流行語大賞』にノミネートされた。実はこの言葉が、コンビ崩壊寸前だったオリラジの危機を救うきっかけになったことはあまり知られていない。そんな思いも込めて藤森慎吾がノミネートについてコメントしている。
年末に発表される『“現代用語の基礎知識”選 ユーキャン新語・流行語大賞』の話題が出る時期になった。11月10日にはノミネートされた60語が発表されたが、その中に藤森慎吾が流行らせた“君、きゃわゆいネェ”も入っていたのだ。
藤森慎吾はツイッターで「流行語大賞ノミネート。うれしいですね。 これで、この言葉も成仏してくれるでしょう。」と感想をつぶやいている。彼が“成仏”とした心境は不明だが、この言葉を使う時の彼のチャラ男キャラについては11月11日に放送されたテレビ『中居正広の金曜日のスマたちへ』で、意外な事実が明かされたのだ。
オリエンタルラジオの2人が深夜ラジオ番組「オールナイトニッポン」で生放送中に口論からとっくみ合いのケンカへと発展して、その一部始終が放送された事件があった。それは2007年のことだが、実はこの頃すでにコンビの関係は最悪だったという。彼らは『武勇伝』ネタで結成後1年にして異例の大ブレイクを果たしたが、やがて人気は下降してオファーも激減した。中田敦彦が単独でクイズ番組などの仕事を見つけてくる中、藤森慎吾はぶらぶらと過ごす毎日を送っていた。そんな状態が続いたことで、お互いに不満が溜まっていったのだ。楽屋で目を合わせることもなく、中田がネタの話をしても藤森が聞こえないフリをするという危機的な関係になっていた。そしてついに前述のラジオ番組で不満が爆発したのである。
それでも2人はテレビ『キズナ食堂』へ出演するなど、少しずつだが仕事が戻ってきた。その彼らに声をかけてくれたのが次長課長の河本準一だったのだ。「俺はがんばってるヤツはぜったいに見捨てない」そう励まされた時に、藤森慎吾の心が明るくなったのである。それから藤森が取った行動は突飛だった。河本準一と毎晩行動を共にして、合コンに参加しては騒ぎ『タンバリンを教えてください』と河本に頼んで教わったりしたのだ。実は、その時に藤森はチャラ男キャラの基礎を身に付けつつあった。そして飲み会で知り合った人間関係が縁で、藤森慎吾単独のオファーも来るようになったのである。
中田は藤森がチャラ男キャラに路線変更したのは今年の春だと話していた。その後“あやまんJAPAN”とのコラボでAKB48の曲に合いの手を入れるネタなどで人気が上昇して『オリエンタルラジオ再ブレイク』と言われるほどになった。それまでの中田敦彦は『自分だけに仕事が来て、藤森が浮いてしまいそのまま解散』ということも頭をよぎったと言う。そんなオリエンタルラジオの危機を救ったのが、藤森慎吾のチャラ男キャラと「君、きゃわゆいネェ」などのギャグだったのだ。
オリエンタルラジオが現在に至るまでの背景を知って、流行語大賞にノミネートされた「君、きゃわゆいネェ」を聞くとこれまでよりも“少しだけ深く”感じるから不思議だ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)