writer : testjournalist

【ドラマの女王】前作はやはり偉大だった。AKB前田のイケパラが下降の一途を辿る理由。

4年振りにあの伝説のドラマが復活!と大きな期待を背負ったドラマ『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011』(フジテレビ系)が予想に反して大苦戦中である。

初回こそ10%を超えるも、新垣結衣主演の月9『全開ガール』に惜敗。ついに第4話では5.5%にまで落ち込んだ。当初の目論見から外れ、制作サイドは嘆いているかもしれない。だが、我々視聴者にとっては予想通りの結果のように感じる。ただ、ひとつだけ予想外だったことはAKB48のエース・前田敦子の主演ドラマにも関わらずファンがなびかなかったことだ。

主人公である芦屋瑞稀(前田)は女子であるにも関わらず憧れのハイジャンプ選手・佐野泉(中村蒼)を追いかけて男子校に男子として編入する。怪我で復帰出来ない佐野に復帰してもらおうと奮闘する、2007年に堀北真希主演でドラマ化された伝説のドラマだ。原作は中条比紗也の『花ざかりの君たちへ』である。

当時、最高視聴率21.0%を獲得したヒット作。堀北の他に小栗旬や生田斗真、水嶋ヒロ、岡田将生、山本裕典などなど今ではすっかり人気俳優となった面々を排出し、一度にたくさんのイケメンを堪能出来る夢のようなドラマだったのだ。なぜそのドラマの第二弾がこのような散々な結果となっているのだろうか。

まず、そのテンションである。4年という歳月を越え「とにかくイケメンばかり出ていた」という記憶だけになってしまったのだろうか…と疑ってしまうくらい、ただ騒がしいだけのテンションに驚いた。あれだけ男子が揃えばうるさくなるのは当然だが、まとまりがなさすぎるのではないだろうか。そんなテンションを日曜の9時という放送時間に充てたのが失敗である。この時間の前クールといえば、あの異例のヒット作『マルモのおきて』だ。ほろりと泣けるドラマから打って変わり、男子高校生がギャーギャー騒いでいるドラマでは、せっかく『マルモ―』で掴んだ視聴者が離れるのは無理もない。

そして一番大きな敗因は4年というスパンだろう。昔の作品をリメイクすることは珍しいことではない。しかし4年は短すぎた。前作の出演者がいままさに現役で活躍している上に、当時オンタイムで見ていた世代は今回も充分ターゲットである。『ごくせん』のように登場人物を変え、違う舞台となれば別だが、今回は多少の相違点はあるもののベースは全く同じなのだから、どう見ても前作の出演者と比べざるを得ない状況になってしまう。これが10数年も前のものであれば、前作の出演者を知らない世代がターゲットになるため、そこまでシビアに比較することはなかっただろう。

ただでさえ、今クールは「男装女子+イケメン」のドラマがなぜか多い。しかも、それぞれイケメンにはKis-My-Ft2やHey! Say! JUMPなどジャニーズの若手や前作イケパラ出演者である山本裕典が起用されている。彼らに比べれば、イケパラ出演者の知名度は低い。これでは「あっちゃんとよく分からないイケメン高校生が騒いでいるだけのドラマ」と見えなくないのだ。彼らにとってはかなり不利な戦いなのである。

とはいえ、そんなイケメンを判定する女子よりもシビアな評価を下しているのは、AKB48ファンや前田敦子のファンなのかもしれない。
(TechinsightJapan編集部 洋梨りんご)