エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】自傷行為を繰り返す苦悩の日々。山崎静代が壮絶な過去から立ち直った意外なキッカケ。

南海キャンディーズの山崎静代があのモーニング娘。のオーディションを受けていたことはご存知だろうか。今ではお笑いだけでなく多方面で活躍する『静ちゃん』の微笑ましいエピソードとして語られることが多い。しかし当時の彼女にとっては人生を左右する重要な出来事だったのだ。

南海キャンディーズとしてM-1グランプリ2004で準優勝し一躍人気者となった静ちゃんは、その後映画「フラガール」での好演が認められて日本アカデミー賞新人俳優賞を手にする。以降お笑いだけでなく映画、ドラマで女優としても活躍している。
また絵が好きなことから絵本も出版しており、さらにはドラマをキッカケに始めたボクシングで全日本女子アマチュアの初代ヘビー級チャンピオンにもなっている。彼女はオリンピックも真剣に視野に入れており、好成績を期待したくなるほどの勢いなのである。

そんな静ちゃんがお笑いの道へ進む前にコンプレックスから引きこもり生活を送り、自傷行為に及んでいたのである。2月4日に放送されたテレビ「DON!」で彼女の壮絶な人生が紹介された。

静ちゃんは幼少の頃から平均を大きく上回る体格だった。保育園の頃は歌が得意で人気者だった彼女は、工藤静香に憧れてアイドルになるのが夢だったという。
しかし小学生になり人目が気になりだすと、身長が周りに比べて10cmも高い体格が彼女のコンプレックスになったのだ。性格も次第に引っ込み思案となってしまったのである。
中学生となった彼女にショッキングな出来事が起きた。男子生徒が彼女を見て「岩石女」と言ったのである。もはや彼女は何も言い返す勇気も無く鬱屈した日々を過ごしていった。
そんな自分を何とかしようとスポーツに打ち込み、サッカーや陸上などをやったが心が晴れることは無かった。

短大へ進んだ彼女は身長も177cmとさらに伸びており、友人も少なくなり部屋に引きこもる生活が続いた。この頃フィギュアにハマっておりオークションにかけるなどして過ごしていたのである。
そうした生活を送り、性格はさらに内面へと向かい自分の殻に閉じこもるような状態だった。
静ちゃんはこの頃を思い出して「地球が滅びればいいのに」と本当に思っていたと語る。

この頃彼女は不満が爆発して髪を真っ赤に染めるなどの突飛な行動を取り出したのである。やがてそれはエスカレートして鼻にピアスの穴を開けるという自傷行為を繰り返すようになる。
静ちゃんは「自分を痛めつけるように『グリグリグリ。イタイイタイ!』と言う感じ」とその行為を表現した。
そこまで落ち込んだ時に彼女は自殺を考えたのだ。しかしそこで「こんな状態では生きていけない」考え直したというのである。

その時、静ちゃんが取った行動こそが『モーニング娘。のオーディション』に応募することだった。幼少の頃、アイドルに憧れたことを思い出したのだ。
ところが彼女が応募用に歌を録音して送ったその楽曲は、長渕剛のヒット曲「巡恋歌」だったのである。静ちゃんはその理由を「自分が一番歌いたかったので」と説明した。
奇跡は起きず彼女は落選したのだが、このことで気持ちが切り替わったのである。静ちゃんは劇団へ入り、そこで『お笑いこそ自分の道』と気づくことになる。

そして静ちゃんは、よしもとに入っていた友人とコンビ「西中サーキット」を結成してABCお笑い新人グランプリで審査員特別賞を受賞するなど人気も手に入れるのだ。
東京進出してレギュラー番組も決定していたが、突然相方がプレッシャーから続けることができずに解散を言い出して事態は急変してしまう。
途方に暮れていた静ちゃんに声をかけてきたのが山里亮太だったのである。2人が南海キャンディーズを結成して翌年にM-1で準優勝してから活躍がはじまり、今に至るのだ。

静ちゃんが学生時代にサッカーで活躍したことやフィギュアマニアであることはよく語られるが、そんな彼女の背景がこのような深刻な状況だったとは知らなかった。
またそれを踏まえて上り調子だったコンビが解散した時に声をかけてくれた山里亮太は、当時の彼女にとってどれだけ救いだっただろうか。今では個人の活動が多いが「気持ち悪い」などと言いつつもやはり静ちゃんは山ちゃんへ感謝しているはずなのだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)