NHK「みんなのうた」で6~7月オンエアされている郷ひろみの『僕らのヒーロー』が人気だ。天国のおばあちゃんを思いながら日々町の為に元気に活躍するおじいちゃんを歌った楽曲を郷ならではの歌いまわしと踊りで盛り上げている。こうしたノリの楽曲を彼が得意とするきっかけとなったのが1981年のヒット曲『お嫁サンバ』なのだ。これについては郷自身も認めているのだが、当時はこの曲を歌いたくなかった事を明かしている。
郷ひろみのデビュー曲は『男の子女の子』(1972年)で17歳の事だった。年下にみえる甘いマスクと歌詞の内容から中性的な魅力も感じられて一躍人気者となった。以降、中性的というイメージは払拭したものの楽曲は従来のアイドル的なものがほとんどだった。
そんな彼に『お嫁サンバ』の話が来たのである。彼は今年10月で55歳となり来年は40周年を迎えるのだ。6月16日放送のラジオ番組『赤坂泰彦のディア・フレンズ』に出演した郷は29年前のその事を思い出していた。
郷は「『お嫁サンバ? 1、2、サンバはないでしょ?』って最初話を聞いた時はとても歌う気にならなかった」と語った。しかし「この歌はあなたしか歌えない。これがこれから結婚式で歌われる代表曲になる」と言われて決意したというのだ。その後、1999年の大ヒット曲『GOLDFINGER ’99』の話が来たときもこの経験がなければ歌えなかったともいう。「ゴールドフィンガーは歌詞に英語が多すぎたからね、『アッチィチィッ・・』のところは英語の歌詞を全部変えさせた」という裏話も披露した。
そして今ヒット中の『僕らのヒーロー』へと『お嫁サンバ』の経験は活かされるのだ。「郷ひろみにしか歌えないつもりでやったね。割りきりが大切なんだ。迷いがあるとオカシクなっちゃう、ファッションといっしょだね。だから一緒に歌ってくれる子供たちにも迷いは見せない」とこの曲への思いを熱く語った。
彼は「職業は『郷ひろみ』さ」と話したエピソードが有名だが、この時も「郷ひろみが『郷ひろみというブランド』を楽しんでいる」と自分を分析した。40周年を前にまだまだ郷ひろみは進化してくれそうだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)