米国西海岸の11日午後6時前、南カリフォルニアの人々は慌てて家の外に飛び出し、空を見回した。ビバリー・ヒルズにベル・エアにマリブ、金曜夕方のセレブは、お出掛けの準備あるいはホーム・パーティの準備中で忙しい。だがそんなセレブも、怖さのあまり外に出てしまったという。いったい何が起きたのか…!?
6月下旬、マイケルが病院に運ばれた時のUCLA医療センターの様子をレポートしてくれたUCLAのAsako Hayashi教授が、11日夕方のビバリー・ヒルズを襲った“珍しい現象” を知らせてくれた。
パーティの準備のため自宅は賑やかであったにもかかわらず、彼女や友人の体は、ある時からうなるような不思議な振動波音を感じ始めた。窓もビリビリ音を立て、間もなくそれはズシンという直下型地震のような揺れに変わり、少し緩めになっていた窓が、バンと音を立てて開いてしまったという。
彼女は友人とともに思わず外に出て、空を見上げた。火山の爆発?いや隕石?大地震…?“スペース・シャトルが、フロリダではなくてエドワーズ空軍基地に帰ってくることになったと聞いたけれど…。”誰かがそう言った。
だが、同空軍基地はロサンジェルスからは北に120kmも離れている。シャトルは中型ジェット機程度の大きさであり、こんなにもすごい衝撃波が伝わるものか、無事に着陸出来たのか、これで乗組員の健康には問題がないのかと、皆改めて不安な表情になったそうだ。
やはりこれは、8月29日に米航空宇宙局/NASAがフロリダ州ケネディ宇宙センターから打ち上げた、スペースシャトル「ディスカバリー」の “仕業”であった。14日間のミッションを終えた彼らには、フロリダ州の悪天候を理由にエドワーズ空軍基地への帰還が命ぜられていたのだ。
スペース・シャトルの着陸は、普通のジェット機が見せる着陸の約7倍の角度で急降下するというから、ほぼ落下に近い感覚であろう。米国西海岸時刻の11日午後5時53分、シャトルは南カリフォルニアにとんでもない衝撃波音と振動を与えながらも、無事に帰還した。
シャトルは少しすると、専用に改造されたボーイング747型ジャンボ・ジェットの背中に子供のように載せられ、ケネディ宇宙センターまでの3500キロを、あまりの重さに途中給油をしながら空輸されるはずである。
Asako Hayashi先生、貴重な大変をお聞かせ頂き、有難うございました!
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)