今回の【どっちが勝ち組でショー】 は、ハリセンボン・近藤春菜VS渡辺直美「吉本おデブ女芸人」対決!相方・箕輪はるかの病欠中、ひとりで頑張る春菜(角野卓造じゃねえ!)と、いわずとしれた和製ビヨンセ?渡辺直美。このふたりはどっちも小柄でコロコロ太っているが、決してタイプは同じじゃない。まだ若くて芸人としても発展途上だが、この先どっちが有望株か考えてみよう。
クイズ番組『ネプリーグ』での事件。横一列に並んだ5人一チームが、ひとつひとつ答えを出していくゲーム。当然、最後の方が答えに苦しくなる。最後にいた訳ではないのだが、ことごとく答えを間違える渡辺直美に、近藤春菜率いる「女芸人チーム」はイライラ。さらに答えにつまってもヘラヘラ笑う直美に、「ちょっとちゃんと答えてよ!」と春菜がハッパをかけるも直美は無言。怒った春菜は「おい!肉だんご、タレかけて食うぞ!」と怒鳴るありさま。TVを見ていた記者はビックリした。“お団子”が“お団子”に怒っているのである。
仲が悪そうに見えて、実はこの二人はわりと助け合っている。ハリセンボン箕輪はるかが結核で入院し、一人で番組を埋める春菜。志村けんのバカ殿様に出演したり、他の男性芸人に可愛いがられてなんとなく仕事をこなしていたが、ネタとなると違う。もともと冴えない女子二人のキャラがウケて人気者になって、あんまり芸が無いハリセンボンだけに、“ボケの”はるかがいないと強気の春菜もさすがに寂しい。そこに、ピンで同じ事務所の渡辺直美がペアを組んだ。ネタはたいして面白くなくとも、体重70キロを越える女二人がとび箱やら壁アタックやらやればそれなりに面白かった。この二人、20代で歳も近く一見、渡辺直美が近藤春菜を助けたような形に見えるが、実はなんとなく女芸人の輪で浮いていた渡辺を近藤が強引に引き入れたような結果になった。
女性を捨てた「体を張った芸」もこなす女芸人たちは、実は「純情」を売りにしている人が多い。ダウンタウンの浜田に胸を揉まれようと、Tバックをはこうと、おかしな格好で歌を歌おうと森三中の3人は、「結婚するまでは処女。」みたいな古風なキャラがウリだし、光浦靖子、北陽、にしおかすみこ、イモトなど、小学生にも好かれるキャラは大体スポーツ・ウーマンか秀才だったりする。どちらでもないクワバタオハラ、オセロ、柳原可奈子、青木さやかもさすがに“Hでいやらしい”キャラではない。いずれも元気で愛嬌がある。
そんな中で渡辺は、いつも冷めていて何を考えているのかよくわからない。デビュー前は「おさわりバー」でまで働いていたという“お茶の間的には”少々不潔な過去もあり、なるほど一見フリーターのような風貌で、世界的セクシー歌手ビヨンセになりきる(そしてそう見える)女を意識したいやらしい目線やしぐさにも長けている。巨乳タレントのメグミ同様、何をおいても歌が大大大好きなのはよくわかるのだが、歌手にはなれなかった渡辺は「女」を武器にお笑いでのし上って来た。それはそれで持ち味なのだが、「清純派」が主流を占める女芸人の群れの中で、「男の何でも知っている」渡辺直美は、チョイ浮いた存在に見えた。
そこにハリセンボンの近藤春菜。この人の破壊力はすごい。
先日も、アイドルグループ嵐の番組で「5人連続泣く演技」というコーナーに登場した春菜。先に死ぬ刑事役を演じた?春菜は二宮や松ジュンの前で太った“ナマ腹”をどどーんと出して倒れる。いくら女芸人でも、20代女子がなかなかできる行為ではない。“笑い”の前には、アイドル嵐も意識しない春菜。誰とタッグを組むも、一気に自分の世界にしてしまう。エロ系で浮いた直美も春菜と同じ土俵に立つと、「十把一絡げ」シックリ女芸人として馴染むのである。
今回の対決は、完全に芸人としてハリセンボン近藤春菜の勝ち。しかし、最近の春菜はハリキリ過ぎ。穴を埋めようとあまり飛ばしすぎると今度は自分が倒れてしまう。記者はちょっと心配だ。渡辺直美とのコンビも悪くなかったが、やはり早く箕輪はるかが元気になって元のハリセンボンに戻ってきてほしい。
(TechinsightJapan編集部 宇佐木野ミミ)