観光地など非日常の場所で自撮りに夢中になるあまり、事故につながるケースが世界中であとを絶たない。このほどメキシコで、自撮りをするため線路に近づいた女性が、向かってきた蒸気機関車にはねられて死亡した。英ニュースメディア『UNILAD』などが伝えている。
北米で「エンプレス(Empress)」の愛称で親しまれている蒸気機関車「カナダ太平洋鉄道2816号」が現地時間4月24日、同機関車を所有する「カナディアン・パシフィック・カンザスシティ社(Canadian Pacific Kansas City Limited)」の本部が置かれているカナダのアルバータ州カルガリーを発ち、大陸縦断ツアーに出た。
エンプレスは、1930年12月にカナダのモントリオールの機関車工場で製造され、1960年5月に引退するまでの30年間運行を続けてきた。そのエンプレスが再び運行を開始したことにより、多くの鉄道ファンがカメラを手に北米中でその行く手を待ち構えていた。しかしメキシコのイダルゴ州ノパラ・デ・ビジャグランに差しかかった6月3日、悲惨な事故が起きてしまった。
当時、事故現場の線路付近にはエンプレスを一目見ようと何十人もの見物客が集まっていた。ドゥルス・アロンドラさん(Dulce Alondra、29)もその一人で、彼女は息子を連れてきており、