ロシアの小説家トルストイの名言に「急いで結婚する必要はない。結婚は果物と違って、いくら遅くても季節はずれになることはない」というのがあるが、この度、米ニュージャージー州に住む93歳の男性が、64年前に出会った女性にやっとプロポーズし、晴れて結婚することになった。同州のウェブサイト『NJ.com』などがこのニュースを報じると、SNSには2人を祝福するコメントで溢れかえった。
これまでずっと独身を通してきたジョセフ・ポテンザーノさん(Joseph Potenzano、93)は、まもなく妻となるメアリー・エルキンドさん(Mary Elkind、83)と共に10月の結婚式に向けて、忙しいが幸せな日々を送っている。
2人は『NJ.com』のインタビューに応じたが、「この恋を成就させるには、急がなければなりませんでした。なにしろ93歳の私には、あと数年しか残されていないでしょうから」とジョセフさんが語ると、「数年以上あるかもしれませんよ。先のことは誰にも分かりませんからね」とメアリーさんが言葉を添えている。
実際にジョセフさんとメアリーさんを知る家族や周囲の人々は、2人の恋物語がこんな風に綴られていくとは思いもしなかっただろう。
彼らの物語は、1959年のある結婚式から始まった。メアリーさんはメイド・オブ・オナー、ジョセフさんはベストマンとして、それぞれが花嫁と花婿の介添人の代表を務めた時に2人は出会った。
「彼女はとてもきれいな子でした。今もきれいでしょう? だからデートに誘ったんです」と、ジョセフさんは当時を回想する。
彼らは短期間デートしたが、その時はそれ以上の進展はなかった。ニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで活躍するバレリーナだったメアリーさんは、結婚式の後にバレエ団の一員としてヨーロッパツアーに出かけ、ジョセフさんも工学を勉強するためフェアリー・ディキンソン大学に入学し、