現地時間2月28日、フランス版アカデミー賞にあたる「セザール賞」授賞式がパリで開催された。最優秀監督賞は、過去に未成年に対する性的犯罪容疑で有罪判決を受けたロマン・ポランスキー監督(86)が受賞した。その瞬間、同監督の受賞に抗議した女優のアデル・エネル(31)が式典を退場。数名の出席者達も彼女に続いてその場を後にした。
ロマン・ポランスキー監督は映画『J’accuse(英題:An Officer and a Spy)』がセザール賞で12部門にノミネートされたことで、大きな議論を呼んでいた。ポランスキー監督は1977年に13歳の少女を強姦したとして、法廷強姦の罪で有罪判決が下された。42日間刑務所で精神鑑定を受けた後、仮釈放中にフランスへ逃亡。米国側からの身柄引き渡し要請は阻止され、ハリウッドから長期に渡る逃亡生活を送っている。
ポランスキー監督が最優秀監督賞を受賞したと告げられた瞬間、会場からはブーイングの声があがった。観客席にいた女優のアデル・エネルは席を立ち、「恥!」とひとこと言い放って退場した。彼女は10代の頃フランス人の映画監督から性的被害を受けた事実を明かし、フランスの映画界で性的被害を告白した第一人者なのだ。
式典ではアデルに続いて映画監督のセリーヌ・シアマが退場、その後も抗議する人々が続々と会場を立ち去った。授賞式の司会を務めた女優兼コメディアンのフローレンス・フォレスティはポランスキー監督の受賞発表後、式典には戻らなかった。のちに自身のインスタグラムを更新し、