海外発!Breaking News

writer : tinsight-masumi

【海外発!Breaking News】歯の治療で味覚障害に 敏腕シェフが職を失い歯科医を訴える(シンガポール)

断念しなければならなかったのだ。

リー医師への訴訟はその後も続いたが、パウウェルさんと一緒に働いていた副料理長グレン・テイさん(Glen Tay)から今年初めに新しい証言があった。それによるとパウウェルさんは腕利きのシェフだったが、親知らずの治療後の彼の料理は味付けがとても濃くなったという。グレンさんはさらに次のように語っている。

「それはあまりにも、しょっぱかったのです。私は毎回、彼の料理の味をチェックしなければなりませんでした。そのうち彼は他のシェフ達がミスをしないように、ただ見ているだけとなりました。彼はシェフとしてのキャリアを奪われてしまったのです。」

記録事務官代理のハイルル・ハッキム氏(Hairul Hakkim)は、パウウェルさんの弁護士からの訴えで、シェフとして仕事を続けていたパウウェルさんの収益力の損失について認め、これにより先月3日の判決により、リー医師はパウウェルさんに7万5千シンガポールドル(約598万円)を支払うことを命じられた。

さらに両者の弁護士が合意し、リー医師は慰謝料として3万シンガポールドル(約240万円)、特別損害賠償として2,066シンガポールドル(約16万円)を含め、計10万7千66シンガポールドル(約854万円)をパウウェルさんに支払うこととなった。

現在はオーストラリアでレストランの開業コンサルタントをしているパウウェルさんだが、月収はシェフをしていた頃よりもかなり低いという。しかしながらパウウェルさんにとって、シェフという生き甲斐を奪われたことのほうが大きな痛手だったことだろう。

画像は『AsiaOne 2019年9月4日付「Chef’s taste buds affected by wisdom tooth extraction; gets $105,000 for job loss, pain after suing dentist」(PHOTO: The Straits Times file)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

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