日本では食事中に口を開けたまま音を立てて食べ物を噛む人のことを「クチャラー」と呼んでいるが、欧米では重要視されているマナーであるため比較的クチャラーを見かけることはない。しかしアメリカで「ミソフォニア」という障害を抱えている男性は、他人のどんな些細な咀嚼音に対しても強い嫌悪を感じ、怒りが湧くのだという。『Metro』『Mirror』などが伝えている。
米カリフォルニア州サンディエゴに住むデロル・マーフィーさん(Derrol Murphy、41)は、ミソフォニア(音嫌悪症)という障害を抱えている。ハーバード大学医学大学院が運営するウェブサイト『Harvard Health Publishing』によると、ミソフォニアとは他の人が気にしないような呼吸音、あくび、または僅かな咀嚼音でも過剰に反応し、パニックになったり怒りが止められなくなったりする障害とのことだ。
デロルさんは「私は何年もの間、自分はおかしいと思っていました。ちょっとした雑音でもカッとなってしまうのです」と明かしている。
家族でさえも食事中の僅かな咀嚼音が気に障り憎悪が湧いてくるため結局、疎遠になってしまったそうだ。それだけではない。会社で同僚がペンをカチカチとノックする音を出しただけで激怒し、遂には殴り合いの喧嘩になったこともあるという。デロルさんはその心境を次のように語っている。
「人々は私の気持ちを理解できません。私自身も説明が難しいのですから…。この状態は私の最も近しい家族や恋人に悪影響を及ぼしました。『なぜ自分の近くにいる彼らが分ってくれないのだろう』と余計に怒りが湧いて、八つ当たりをしてしまったからです。」
デロルさんが自分がミソフォニアだと気づいたのは、