人間にとっては便利で安価なプラスチックだが、適切に処理されずに海に流れ込んだプラスチックゴミは海洋生物にとって深刻な問題だ。このたびアルゼンチンの海岸沖で保護されたカメが、プラスチックを排泄する写真が拡散している。プラスチックの海洋汚染は地球規模で進んでおり、待ったなしの対策が必要なようだ。
アルゼンチンのブエノスアイレス海岸沖で漁網に絡まっているアオウミガメが保護され、サン・クレメンテ・デル・トゥユにある「ムンド・マリーノ財団(Mundo Marino foundation)」に運ばれた。アルゼンチン最大のムンド・マリーノ水族館に隣接するこの施設は、海洋生物や海鳥の救護・保全活動を行っており、広大な敷地内には初期収容施設、隔離施設、保護施設、手術病棟などが併設されている。
保護されたアオウミガメは体重が標準以下であったため、獣医によって血液検査が行われた。検査では特に異常が見つからなかったが、数時間後にカメは総排泄孔から茶色に変色したプラスチックを排泄した。
獣医のファン・パブロ・ローレイロさん(Juan Pablo Loureiro)によると、施設では今年に入って24匹のカメを保護しており、そのうちの11匹からプラスチックが発見されたそうだ。ローレイロさんは「カメはプラスチックゴミが消化器内に蓄積されることで空腹を感じなくなるのです。またエサも減っていることから次第に弱り、生き残るチャンスも減ってしまいます。これは非常に懸念すべきことです」と述べている。
カメがプラスチックをエサのクラゲと間違えて飲みこんでしまい、