10代の頃からドラッグと切っても切れない生活を送ってきた男性が、このほど依存を断ち切って人生のやり直しを誓った。全てを失った男性を支えたのは、保護観察官の女性だった。英メディア『Manchester Evening News』が伝えている。
英グレーター・マンチェスターのアシュトン・アンダー・ラインに住むデイヴィッドさん(37歳)は、10代で非行に走りドラッグの売人らと親しくなり、自らも10代で売人となった。札付きのワルというわけではなかったデイヴィッドさんだっただけに影響を受けやすく、一旦道を踏み外すと悪への転落は容易だった。
大麻の売人から利益をせしめようとした仲間について行ったデイヴィッドさんは、その時の暴行沙汰に巻き込まれ逮捕、少年院へと送られた。その後も悪の連鎖は続き、18歳の時にヘロインの密売人になったデイヴィッドさんは軽い気持ちでヘロインを試すとハマり、たちまち常習者になった。ヘロインやコカインなどを手に入れるために数々の店で万引し、商品を金に換える行為を繰り返していたことから、地元の店全てに出入り禁止を言い渡されたという。20代の頃には好きな女性のためにドラッグを断ち切るも、デイヴィッドさんが再びヘロインに手を出したことで女性との関係は破綻してしまった。
その後、自殺まで図るようになってしまったデイヴィッドさんは精神科病院に強制入院となり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断された。しかし病棟に大量のドラッグを持ち込み、他の患者らにそれを渡すという行為に出たことから病棟を追い出されてしまった。以降は家族や家だけでなくドラッグ漬けの生活で歯も失い、寝る場所は鉄橋下のアーチ道や路地裏というホームレス生活をしながら、犯罪と背中合わせに生きてきた。
2017年6月、過去の万引きの罪で服役した後、デイヴィッドさんは保護観察付きで釈放となった。過去の度重なる犯罪歴からも再び罪を犯せばすぐに刑務所に逆戻りとなる。これまで23回も刑務所を出たり入ったりという生活を繰り返してきたデイヴィッドさんだったが、