ダウン症を含め、障がいを持った子供を育てている親の心身の苦労や疲労は察するに余りある。だからこそ社会は医療費助成制度、特別児童扶養手当、税制の優遇、自治体により公共交通機関利用費の優遇といった各種の補助、支援、優遇制度でその家庭全体を守っていく必要がある。だが米ケンタッキー州のある夫婦はいつしかその上にあぐらをかくようになり…障がいを持つわが子に対する許されない虐待致死事件の話題が飛び込んできた。
ケンタッキー州クラーク郡保安官事務所の発表をもとに州のメディア『WKYT-TV』が伝えたところによれば、ダウン症の息子を昨年12月に餓死させたとして父親のアルバート・クリスティ(61)、母親のパツィー・クリスティ(65)の2名が逮捕され、殺人罪で起訴されたもよう。動機について警察には「行政から扶養手当の打ち切りを知らされて腹が立った」などと供述しているという。
亡くなったのは同郡ウィンチェスターのスクールレーンという町に両親とともに暮らしていたローガン・クリスティさん(20)。ダウン症候群の障がいを理由に長年にわたり家庭には特別扶養手当が支給されていたが、アメリカの成人年齢である18歳になった時に支給が終了。これに腹を立てたアルバートとパツィーはローガンさんを部屋に閉じ込めて虐待するようになり、ロクな食べ物を与えなかったためローガンさんは餓死した。
検死が行われた時のローガンさんの体重は27.6kgにまで落ちており、肺炎を起こしているうえ、深刻な脱水症状と栄養失調が確認された。「意識不明になる13分前に息子に食事を与えた」とパツィーは主張していたが、