刑務所の面会で受刑者が双子のきょうだいと入れ替わり脱獄―ペルーのある刑務所で“あり得そうに見えて決してなかった”脱獄のアクシデントが起きていたようだ。深い愛情と絆で結ばれていたその兄弟。兄の身勝手さを弟は許すことが出来るのか。『Oddity Central』が伝えている。
性犯罪や窃盗など複数の罪を犯して有罪判決を受け、ペルーのピエドラス・ゴルダス(Piedras Gordas)にある刑務所に収監されていたアレクサンダー・ジェファーソン・デルガド(Alexander Jheferson Delgado、28)受刑者。双子の弟ジャンカルロ・デルガド(Giancarlo Delgado)さんがたびたび刑務所を訪れて兄と面会していたなか昨年1月10日、食べ物や手紙を持って現れたジャンカルロさんは兄の脱獄に利用されてしまった。
その日の刑務所では、面会室での談話を経てアレクサンダーが収監されている監房にも入ることになったジャンカルロさん。彼が最後に覚えているのはそこでソーダ水を飲んだこと。目が覚めた時、彼は監房の中で兄の姿は消えていた。ソーダ水に鎮静剤を混ぜられて眠ってしまったことがわかり、ジャンカルロさんはわが身に起きたことを刑務官に必死に訴えたが信じてもらえず、繰り返し哀願してやっと指紋の照会を行ってもらえた。しかしそこは過去12年以上にわたり「ペルーで最もセキュリティがしっかりとしている」と言われてきた刑務所で、受刑者の脱獄など決してあってはならないこと。彼らは立場上それを認めるわけにはいかないのか、兄の脱獄を助けた疑いで今度はジャンカルロさんが逮捕されてしまった。
一方、刑務所内に設置された監視カメラの映像により、弟の服を着たアレクサンダーが6か所あるチェックポイントをことごとくクリアし、平然と歩いて去っていく姿が確認された。最大のミスを犯したのは訪問者の出入りをチェックする警備員。腕に押されたスタンプを帰り際にも確認するという重要な作業を怠っていたのだ。こうしてアレクサンダーの脱獄により刑務官、警備員の複数名が解雇処分となったという。
そんなアレクサンダーの指名手配に関しては日本円にして約65万円の懸賞金(報奨金)が設けられていたなか、