他人の窮地を逆手に取り悪事を働く輩はどこの国にも存在する。このほど英ケント州で救急救命士が救急車の要請を受けた家で患者の治療をしている間、救急車の中に置いていたバッグを盗まれてしまった。英メディア『KentOnline』『Express.co.uk』『real fix』などが伝えている。
11月12日の未明、ケント州レインハムに暮らす2児の母で15年のキャリアを持つ救急救命士の女性(43歳、名前は本人の意思で公表されず)は、ジリンガムに住む男性宅から救急車の要請を受けて駆け付けた。
男性宅で治療を行っている間、女性は救急車の中にバッグを置いていたが、そのバッグが何者かに盗まれてしまった。マイケル・コースのバッグには婚約指輪とエタニティリング、家と車の鍵、銀行のキャッシュカード、重要書類などの貴重品が入っており、盗難に気付いた女性はすぐに自宅にいるパートナーのブラッドリー・ガーディナーさん(32歳)に電話した。
後日、SNSで「指輪をどうか返してほしい」と訴えたブラッドリーさんは、被害にあったパートナーについて「非常に悲しみ落ち込んでいる」と話し、このように怒りを口にした。
「彼女は人の命を救うためにこの仕事をしているんです。人命救助をしている最中に、こんなことをする犯人には良心のかけらもないのでしょう。自宅で盗難に遭ったわけではないので被害は保険が効かず、自費で家の鍵を変えなければなりません。クリスマスももうすぐ来るし6歳の息子の誕生日だってあるんです。特に指輪は、2人の大切な思い出があります。エタニティリングは彼女の40歳の誕生日にサプライズでPandora(パンドラ)にて購入したものなのです。似たようなものを買い直すことはできますが、あの時に購入した同じものは二度と手に入りません。もし、誰かから指輪を買わないかと言われた人はどうか私に連絡してください。もし指輪がすでに売られているのであれば、お金を出してでも買い戻したい気持ちでいっぱいです。」