事情があり18年前にどうしても息子を手放さなければならなかった母親。しかし罪悪感は消えず、一日たりとも息子を思わない日はなかった。きっと二度と会うことは叶わない…そう諦めていた母だったが、このほど思わぬサプライズを受け、18年ぶりに息子と再会したことを『Inside Edition』『Mirror』などが伝えた。
米フロリダ州オーランドに暮らすタミー・オズウォルトさん(53歳)は薬物依存症のパートナーと別れた後、2人の娘を抱えながらシングルマザーとなった。しかし仕事を失いホームレス状態になる瀬戸際に第3子を妊娠していることが分かった。
ブルースと名付けた息子が産まれた時、タミーさんは息子の将来を思い、きちんとした家庭で愛されて幸せに育ってほしいという強い気持ちから養子に出すという苦渋の決断をした。
その後しばらくしてタミーさんは「本当に自分がしたことは正しかったのだろうか」という疑念と深い罪悪感に悩まされるようになり、深刻なうつ病から自殺を図ろうとしたこともあった。養子の手続きをしたエージェントとは数回のやり取りがあったもののそれ以上の情報を得ることはできず、元気にしているのだろうかと息子を思わない日はなく今日まで過ごしてきた。
ところが昨年10月に思わぬ展開が起こった。タミーさんの長女サマンサ・ヒューイットさんのもとに、養子に出された弟から連絡があったのだ。弟は新しい家族にディラン・リッチと名付けられ、ネット上で偶然電話番号を知ったようで、それ以降サマンサさんはディランさんと連絡を取り合うようになった。しかしディランさんがまだ生みの親に会う心の準備ができていないようだったため、しばらくの間は母に内緒にしていた。
ある日のこと、サマンサさんはディランさんと連絡を取り合っていることを母に伝えた。タミーさんは激しく動揺したが、ディランさんから初めて「ママ、元気ですか」というメッセージを貰った時は息子が勇気を出して連絡をくれたことに感激し号泣したという。今年8月には初めて電話で話すこともできたが、タミーさんは「声が聞けただけで幸せ」と思い自分から「会いたい」と口にすることはなかった。