しかしこのカップルはやはり人目を引くようで、2週間前にもルイーズさんはトラック運転手に酷い侮辱の言葉を投げかけられたそうだ。元パブの用心棒という職業歴を持つニッキーさんはそうした世間の差別や侮辱をあまり気にしていないが、ルイーズさんは傷つきやすい性格のようだ。しかし2人は、我が子を性別の境界線なく育てて行く勇気を持つことを決して恐れない。

「恋に落ちるのに性区別は関係ありません。相手の体ではなく心と個性、魂に惹かれるのです」と言うニッキーさんとルイーズさんは、実はスター＝クラウド君を出産して1年後に第2子となる男児を腎臓疾患のため21週目で亡くすという辛い経験もした。子供を失う辛さ、子供を思う気持ちは2人がいう「普通の人」となんら変わりない。最後にルイーズさんはこのように語った。

「世の中には、子供のことを放ったらかしにしている親が存在します。私たちは我が子にコートを着せないで寒い思いをさせるよりも、ピンクのコートを着たいと言ったらそれを聞き入れて着させます。スターは幸せで健康な子供で、私たちはとても愛しています。そうした思いが子育てにおいて一番大切なのだと思っています。」

このニュースを知った人からは「これぞ正しい子育てなんじゃない？　親は子供におもちゃや服を自由に選ばせるべきよ」「でも無性別で育てるとなると子供が将来、困惑しないかな」「親がパンセクシュアルだからって、子供にも無理強いさせているような気がする。どんなおもちゃで遊ばせてもいいけど、やっぱり男の子は男の子、女の子は女の子と区別するべきじゃないかしら」といった声があがっている。

画像は『Metro　2017年8月13日付「Transgender and pansexual parents are raising their child as gender-fluid」（Picture: Mark Pinder）』のスクリーンショット
（TechinsightJapan編集部　エリス鈴子）