米アリゾナ州のバスの運転手が、学区内の子供たちに総計2100冊の本を寄贈した。アメリカでは夏休みに入る手前とあって、多くの子供たちが手渡された本に大喜びしたという。『FOX 10』や『Mashable』が伝えている。
アリゾナ州フェニックス地域の交通機関会社「Valley Metro」でバスの運転手をしているジャーマイン・ベシアさんは、他の運転手らと協力して地域学区内の子供たちに2100冊もの本を寄贈した。
ジャーマインさんは元スクールバス運転手だった。テンピにあるカリー小学校で、日々児童の送り迎えをしていたジャーマインさんは、自分が運転していたルートの児童全員の名前を覚えているほど、普段から子供たちのことを気にかけていた。迎えに行った児童の1人が落ち込んだ様子だと、ジャーマインさんはすぐに校長室へ駆け込んで知らせるなど思いやりを見せたという。
そんなジャーマインさんはある日、箱に詰まったたくさんの本をカリー小学校に持ってきた。他の運転手らと一緒に集めた本を子供たちに寄贈するためだった。そうしたジャーマインさんの善意は、彼がスクールバスの運転手を辞めてValley Metroのバスの運転手になっても続いた。
そして5月16日、ジャーマインさんはカリー小学校に600冊の本を寄贈した。ジャーマインさんは「最初は200冊集めることから始めました。子供たちはとても喜んでくれたので、それ以降毎年、同僚らと本を集めて寄贈しています」と話している。
ジャーマインさんとは長い付き合いになるという同小学校のケン・ホワイト校長は、「ジャーマインさんは常に子供たちにベストを尽くそうとしてくれます」と子供たちに本を寄贈し続けてくれることに感謝の気持ちを明かす。また、「本は子供たちの学ぶ意欲を刺激する格好の教材になります。また学校の運営には地域の人々の協力が不可欠です。これは“地域には学校のことを真剣に考えてくれる人がいる”ことを子供たちに示す絶好の機会でもあるのです」と述べている。
娘が2人いるジャーマインさんは「9歳の小学生の娘は本を読むことが大好きなんです。僕にとっても子供たちに本を寄贈し続けることは光栄なこと。小さなことに過ぎませんが、その小さなことが大きな変化を生むこともあるのです」と語った。