ダウン症であるダニエル・ライブリンクさん(62)が米ミシガン州のマクドナルド・ブライトン支店で働き始めたのは、今から33年前のことだった。ロビー・マネージャーとして笑顔で接客をするダニエルさんは、店に新しい風を吹き込み、知らず知らずのうちにみんなが彼を支えるようになっていった。『WXYZ.com』や『Livingston Daily』など複数のメディアが伝えている。
マクドナルドでの最後の勤務日を迎えた今月8日、店ではダニエルさんを送別するサプライズパーティが開かれた。パーティを企画した1人でダニエルさんの世話役をしているモリー・ウィスリーさんは、彼のことをこう語っている。
「障がいを持つ人を雇用した企業はマクドナルドが初めてだったと思います。ダニエルにとってこの店はもう一つの家族のような存在でした。店では誰もが彼を敬いサポートしてくれました。」
「ダニエルは仕事熱心で、この職場が大好きだったようです。仕事中に2回の心臓発作を起こし膝を痛めたこともあって、最後は週1回だけの勤務でしたが、調子が悪くて仕事に行けない時でも彼の頭にあるのは『いつ職場に復帰できるか』ということだけ。仕事は彼の人生でした。」
「パーティには以前ここで働いていた同僚や常連客も駆け付けて、それは賑やかでしたよ。私は朝から感極まって涙が止まりませんでした。ダニエルは最後の出勤という特別な日であることは知っていましたが、自分のために開かれたパーティに驚いていました。店からケーキやプレゼントが用意され、たくさんの人からお祝いの言葉をかけられ、彼がほろりとする場面もありました。やはり店を離れることは寂しいようですが、退職後は釣りや旅行などをしてゆったりと過ごす予定のようです。」
またダニエルさんと一緒に働いてきたゼネラルマネージャーのデイヴィッド・グリンさんは、次のように述べた。
「ダニエルからは“チームワークの大切さ”や“笑顔を忘れないこと”など、多くのことを学びました。店がどんなに忙しくても、世界で何が起きていようとも、彼は態度が変わることはありませんでした。店にやって来る人々をハグや握手で迎え、元気を与えてくれたのがダニエルだったのです。」