ご存じのとおり、米エアライン「ユナイテッド航空」に関しては今、ボイコット運動が起きるなど世界中の旅行者や人権団体が怒りをあらわにしている。それと同時に大変な同情が集まっているのが、通路を引きずられてしまったアジア系米国人の男性医師である。ところがその医師について“そんなに同情すべき人物ではない”といった内容の情報がいくつか飛び出し、人々を驚かせている。
シカゴからケンタッキー州のルイビルに向かうユナイテッド航空機の、すでに乗客が搭乗を済ませた後に展開されたその“オーバーブッキング”アクシデント。ランダムに選ばれた乗客4名のうちの1名が無理やり席から引っぱり出され、通路を引きずられる様子が動画で流出して世界中の人々を激怒させた。同社CEOのオスカー・ムニョス氏が翌日に改めて陳謝したものの、「人種差別だ」「客にこんな手荒なことをして良いと思っているのか」と大変な騒動となっている。
その後、シカゴの病院に入院して検査や治療を受けたこの男性は、ケンタッキー州在住の医師で「患者との予約があるためにこのフライトを逃すわけにはいかない」と主張していたことも明らかになったが、メディアはやっきになってその医師の素性を調査したもよう。『ABC News』ほかが伝えた情報を総合すると、男性は69歳のデビッド・ダオ氏。ベトナムのサイゴンで医大を卒業し、1980年に渡米した後はケンタッキー州の片田舎にある診療所で17年間働き、米国籍を取得。妻も医師で子供5人のうち4人が医師となり、孫もいる。しかし2003年、かつて患者であった女性との交際のなかで規制薬物である鎮痛剤の不正売買および処方に手を染め、98もの罪状で訴えられた。