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writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】愛猫に噛まれたカナダの男性 敗血症性ショックで死亡

愛するペットに噛まれて死亡した男性の話題をお伝えしたい。珍しい例とはいえ、そうした傷を放置していると最悪の場合は死が待っていることもある。ペットの咬傷は決して侮れないのだ。

昨年の冬、愛する猫に親指を噛まれた傷が原因で重い感染症を発症し、命を落としてしまったのはカナダ・トロントの68歳の男性。腹部の鈍痛や悪寒を覚え、2週間で体重が10kgも減っていた中、ある時激しい体調不良を訴えてトロント総合病院に救急搬送となった。担当医が医学誌「World Journal of Clinical Cases」に、猫に噛まれて4週間後に帰らぬ人となってしまったこの男性の症例を発表し、ペット愛好家たちに警鐘を鳴らしている。

病院では2週間にわたり大手術、ペニシリンの投与、集中治療室での完全なるケアが行われたが、敗血症性ショックは深刻でやがて助けようのない多臓器不全を引き起こしたとのこと。特筆すべきは、男性の体内では正常ならガーデンホース程度といわれる腹部大動脈が直径10cmにも拡大していたこと。内側に大きな動脈瘤が生じ、これが続いて破裂したことから激しい内出血が確認され、緊急で人工血管置換術が行われた。珍しい例ではあるが、これも動物による咬傷の影響であるという。その動脈瘤から検出されたのはパスツレラ属の真正細菌「パスツレラ・ムルトシダ」。保有率はネコの口腔内でほぼ100%、イヌの口腔内で15~75%だという。

救急医療の現場でも急増している動物による咬傷。「可愛いこの子を悪者にしたくない、そこに手を出していた自分が悪い」といった優しさや、すぐに治るだろうという安易な気持ちから受診を怠ると、敗血症という大変怖い病を引き起こすことがあるのだ。この男性の場合は日常的に大量飲酒の癖があったといい、血管は非常に脆く、咬傷をきっかけに彼の体はダブル、トリプルパンチを食らった。論文の共著であるデニス・チョー博士は「ペットに噛まれたり、深く引っ掻かれた場合にはすぐに受診を。恐ろしい感染症予防のため抗生物質の投与が必要です」とまとめている。また時間がかなり経ってから体調不良を訴えた時にも、咬傷の事実を医師に告げることを忘れずに。この男性の場合は救急搬送に付き添った妻がそれを伝えたという。なお1年ほど前には、結膜炎だと思っていた女性がある朝突然失明し、「猫ひっかき病」と判明したという話題をお伝えしていた。

出典:http://www.vancouversun.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)