「最愛のスマートフォンとやっと夫婦になれた」と笑顔で語る男性が米ロサンゼルスにいた。ラスベガスのミニ礼拝堂でしっかりと結婚式も挙げたことを現地メディアの『ktnv.com』が伝えている。
「僕の愛する妻はこのスマホ。いついかなる時も僕の傍から離れずにいてくれた。」
そう語る男性はアーロン・チェルベナックさん。先月20日、自身の運転でロサンゼルスからはるばるネバダ州のラスベガスの小さなチャペルまで向かい、結婚指輪を取り付けた最愛のスマホに左手薬指を通しながら永遠の愛を誓った。
あるインターネットセキュリティ大手企業の調査によれば、スマホユーザーの4分の1が「スマホの存在は自分にとって両親かそれ以上に重要」と評価しており、眠る直前にしたいのはスマホのチェックであるとの結果を発表していた。生身の人間との対話よりもSNSやメール、音楽や映像の視聴、ネットの話題をチェックする方が楽しいというわけだ。そんな一人であるアーロンさんも「24時間いつも一緒。これだけ重要な関係を長い間続けて来られたのは“この娘”だけ。結婚したい」と決心すると、さっそくラスベガスの礼拝堂に助けを求めた。そこには一風変わった結婚式にも手を貸してくれる礼拝堂がいくつか存在し、最近ではペットと挙式する人も増えているのだ。
その挙式を引き受けてくれたのは、ラスベガス目抜き通りの最北端「ストラトスフィア」ホテルの向かいにある「The Little Vegas Chapel」。経営者のマイケル・ケリー氏は『ktnv.com』の取材に、「命を持たない“物質”と結婚しようというのですよ。最初は何がなにやらさっぱり理解できませんでしたが、話しているうちに“テクノロジーがどれほど人の気持ちに食い込めるものか、よし、一肌脱ごう”という気になりました」と語っている。そのような結婚にネバダ州が婚姻許可書(マリッジライセンス)を発行するわけもないが、アーロンさんは今、やることはやった満足感でいっぱいだそうだ。機種変更の時がきたら、彼はそれを“離婚・再婚”と表現することであろう。
出典:http://www.ktnv.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)