仏教の善行のひとつに捕らえた生き物を逃がしてやる「放生」と呼ばれる宗教儀式がある。中国で信心深いある女性がヘビ900匹を野外に放ったところ、とんでもない事態になってしまったようだ。『shanghaiist.com』が伝えている。
先月30日、中国四川省南西のある山に南京市出身の女性が900匹ものヘビを放った。女性は信心深い仏教徒で“捕まえた生き物を自然にかえすことで殺生を戒め、生き物に感謝する”という儀式「放生」を執り行ったという。
しかしこの山は都江堰市郊外にある村のそばで、放たれたヘビの一部が村に侵入。突然現れたヘビの大群に驚いた村民はパニック状態となり、木棒などを使ってヘビを叩き殺した。この村に暮らすレイさんという男性は「1時間ごとに家の周りにヘビがいないか確認する日々が続きました。先週はよく眠れませんでしたよ」と明かす。
ヘビを放った女性は放生の様子を「微博(ウェイボー/Weibo)」にアップしていたものの警察が介入する事態となり、アカウントを閉鎖せざるを得なくなった。成都市野生動物保護センターの職員は、村民が捕獲したヘビの写真を見て「この中に毒蛇がいることを確認しています」と語り、女性の行動を強く非難した。また山林管理の専門家は「こういった行動が生態系に何らかの影響を及ぼすのは確実です。女性はきちんと罰せられるべき」と憤る。
村民を危険にさらした行為について、Weiboユーザーの大半は批判的な意見を述べている。なかには「山ではなくて自分の寝室にでも放ったら良かったんじゃないか」といった辛口のコメントもあったようだ。
出典:http://shanghaiist.com
(TechinsightJapan編集部 A.C.)