先月30日、トラと触れ合うことができる「タイガー・テンプル」として人気だったタイ西部カンチャナブリの仏教寺院「Wat Pa luang Ta Bua」で、動物虐待や違法取引などの疑いでタイ警察や野生動物保護当局による強制捜査が行われた。次々と明かされる衝撃の事実を『dailymail.co.uk』らが報じている。
動物保護団体などからの指摘を受けこの寺院内を調べていた当局は、これまでに違法に飼育されていた137頭のトラを保護。施設内に置かれていた冷凍庫からはトラの赤ちゃん40頭の死骸、さらには20もの瓶に詰められたトラの臓器や体の一部が発見されていた。
また今月2日にはこの寺院の僧ら3人が2頭分のトラの毛皮、瓶詰めにされた700以上のトラの皮、スーツケースに詰められたトラの歯をトラックに詰め込み、寺院から持ち出そうとして拘束された。警察は寺院が違法なトラの繁殖や虐待、闇取引に関与したのではないかとみて調査を進めてきた。
そして今月7日、内部からの告発により警察はタイガー・テンプルから30マイル(約48キロ)ほどにある人里離れた家の捜査に踏み切った。この家は高いフェンスで覆われており、敷地内ではトラ4頭と12の空の檻が発見された。警察は寺院が関与し、取引する前の生きたトラを檻の中に一定期間留めた後、家屋内で解体処理をしていたのではないかとして世話人と称する2人を拘束した。2人は「4頭のトラはこの家の所有者の私有物であり、今は所有者は不在だ」と話しているという。
この家からは大型のまな板のほか、様々な種類のナイフが押収されており、大型の冷凍庫からはビニール袋に入ったトラの肉や骨が多数見つかっている。警察はトラの皮や骨、肉は違法に国外へ持ち出され取引されていたことはもちろん、肉の一部は国内のレストランに販売されツアーで訪れた観光客にふるまわれていたのではないかとして調べを進めている。会見では「我々はタイガー・テンプルだけが闇取引に関わっていたのではないという情報を得ています。調査は始まったばかりです」とコメントした。
出典:http://www.dailymail.co.uk
(TechinsightJapan編集部 A.C.)