ATMを利用した男は、現金取り出し口から大金がごっそりと出て来たことにそれは驚いた。しかし行員や警察にその事実を伝えることなく自身のポケットへ。そこから自身の大好物を買い続ける日々が延々と続いたのであった。
北アイルランド・ベルファスト出身のピーター・アンソニー・ヤングというホームレスの男。33歳の時に母親が死亡して以来、20年以上にわたりアルコールに深く依存する日々を送っていた。そんなヤングを4年ほど前に濡れ手に粟というべきアクシデントが見舞い、犯罪者として刑務所送りになったことをベルファストのメディア『belfasttelegraph.co.uk』が伝えている。
2012年6月22日、アルスター銀行(Ulster Bank)でシステムに不具合が発生し、ATMが故障。微々たる残高の中で現金を引き出そうとしたヤングは、予想外の170万円相当の大金を入手してしまった。思わずポケットにそれを突っ込んで逃げたヤング。34歳からはホームレスとなっていた彼がそれを「ラッキー」と思わないわけはなかった。
当然ながら誰がそれを持ち逃げしたのか銀行は調査を行い、口座番号からヤングを特定。しかし銀行はヤングと接触しようとしたが叶わなかったことから警察に協力を求め、ヤングは58歳にして窃盗の容疑者として逮捕された。「大好きな酒を購入してすべて消えた。返却は困難」というヤングに、このほどダウンパトリック刑事裁判所は懲役4か月の実刑判決を言い渡している。
故障例はもちろんだが、ATMの利用においては前の利用者が置き忘れた現金などを持ち去る行為も窃盗容疑で追われることになる。前の利用者のみならず銀行も被害者として警察にすみやかに被害届を提出するもので、マシンに設置されている隠しカメラの映像が提出されることから、持ち去った者が検挙されない例はまずないという。
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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)