海外発!Breaking News

writer : tinsight-yokote2

【海外発!Breaking News】「老いた親を放置する者に罰則」の新条例 高齢化社会進む上海市で

人口の急速な高齢化が社会問題になりつつある中国・上海市から非常に興味深い話題が飛びこんできた。子は老いた親を放置してはならないという趣旨の条例が誕生したため、働き盛りゆえ親のことをほとんど構わずにきたという自覚がある者は、今後は週末の過ごし方などを大きく見直す必要がありそうだ。

上海市の議会で審議され、今年の5月1日に施行が決まった新しい条例が大きな話題となっていることを『中新網(ecns.cn)』が伝えている。仕事が忙しいことなどを理由に子が老いた親の世話をみないことは大きな問題だとして、親子が別居している場合、その子には実家への定期的訪問を義務付け、これを怠って親を放置した場合は罰を与えるという。

新しい条例では、孤独で寂しい状況を理由に親が子を法的に訴えることが可能になった。事情を踏んだ上で、裁判官は子に定期的な訪問を命じることであろう。ところがそれを一度でも怠ったら、子には金融上の罰則が待っている。それまでクレジットカードやローンなど信用取引上の利用、返済になんら問題を起こしていなかったとしても、信用情報機関に登録されている情報に黒星が付けられてしまう。これは“親不孝な人間など信用するに値しない”という考え方に基づいているという。

2015年末の調査で上海市における60歳以上の人口は約436万人。それが2018年には500万人を、2020年には540万人を突破すると予想されている。市の政策として老人福祉サービスの質を一層高める努力をする一方で、病弱になった親の世話や心のケアはやはり子の役目だと考えている上海市。かつてないほど“働きバチ”と化している子世代からどのような意見が出てくるものか、そちらにも関心が集まっている。ちなみに親が老人ホームなどで暮らしている場合でも預けっぱなしはダメ。親が「寂しい」と感じるようでは訴えられかねないという。

出典:http://www.mid-day.com
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)