「世の中捨てたもんじゃない」そんな声が聞こえてきそうなニュースが米ミシガン州から飛び込んできた。『abcnews.go.com』ら複数のメディアが伝えている。
ミシガン州ウェストランドで車を運転していたラボンテ・デル(28)さんが、警察官に車を止められたのは今月18日のこと。デルさんは“今日はついてない。違反切符を切られる”とドキドキしながら道路脇に車を寄せた。「警察官は車に近づくとチャイルドシートに座っていない3歳の娘に気づき、私に車から出るよう指示したのです。私は泣きそうでしたよ」と当時を振り返る。
しかしこの警察官は「なぜチャイルドシートがないのか」と質問すると、デルさんの話に耳を傾けてくれた。「経済的にかなり厳しくチャイルドシートまで手が回らなくて。ここ1年は本当に苦しかったんだ」というデルさんに、警察官は「それならウォルマートに一緒に行こう」と誘ってきたのだ。
「耳を疑いましたよ。警察官が私にチャイルドシートをプレゼントしようって言うじゃありませんか」と語るデルさん。その時は信じられない気持ちで浮き足立ってしまい、警察官の名前も聞かずその場をあとにした。
「後悔しましたよ。こんなにしてもらったのに、ろくにお礼も言えていない。それでFacebookにこの日の出来事を投稿したんです。」
この投稿により、プレゼントした警察官はウェストランド警察署のジョシュア・スカグリオーニさんと判明した。
スカグリオーニさんは「私も苦しいときがありました。お互い様ってことですよ。自分のことがこんな形でニュースになるなんて思ってもみませんでした」と『abcnews.go.com』のインタビューに答えている。そして「違反切符を切るだけが警察の仕事じゃありませんから」と付け加えた。
デルさんはその後、スカグリオーニさんとの再会を果たし「世の中にはまだまだいい人がたくさんいるってことです」と嬉しそうに話す。スカグリオーニさんがプレゼントしたのは蝶の模様がついたピンク色のチャイルドシートで「娘はとても気に入っているんです」とデルさんの表情は明るい。
出典:http://abcnews.go.com
(TechinsightJapan編集部 A.C.)