中国北西部甘粛省に人口たった1人という村がある。『elitereaders.com』など複数のメディアが、10年間もある村で1人で生活する男性について伝えている。

国連の発表によると、2016年4月の中国の人口は13億8000万人を超えている。都市部は過密状態で、将来的に国内総人口は14億5000万人に達すると言われる中、甘粛省にあるXuenshanshe村の人口はリウ・シャンジャさん1人だ。

かつては20家族が軒を寄せ合い暮らしていたというが、生きていくうえで欠かせない資源が少なく1人また1人と村をあとにした。村に留まり老いた母親を世話していたリウさんだが、2006年以来この村に住むのは彼だけである。飼っている羊が話し相手だという。

村人が去って10年。リウさんの近所の家々の壁は崩れ、軒は傾いて廃墟と化しており砂埃が舞う。リウさんの家も一度は一部が崩れ落ち、残された家に引越しをしたというが、室内はこぎれいに整頓され来客用のベッドも置いてある。電気も通り携帯電話のサービスもあるそうだ。

それでもこの村で頼れるのは自分だけ。リウさんの生活は決して楽ではない。食料の買出しや水汲みには数キロ先まで足を運ばなければならないため自給自足を心がけているものの、質素な生活とはいえ羊の世話だけでは生活できず近隣の森を見回るパートの仕事をしている。

それでもリウさんは、ここでのゆったりとした生活が好きだという。「ここで生きていくのは辛くないよ。でもいつかこの土地を離れる時がくると思う。やはり1人より周りにたくさん人がいるほうがいいに決まってるさ」と語るリウさん。時間に追われあくせく暮らす都会とはかけ離れた生活がそこにある。

出典：http://www.elitereaders.com
（TechinsightJapan編集部　A.C.）