中国深セン市で60代女性がマンションから飛び降りて死亡した。保険金で息子の治療費を支払おうとした末の悲劇だった。『shanghaiist.com』などが伝えている。

63歳になる母親が、息子が住むマンションの9階から飛び降りたのは先月22日。「心配しないで。お金ならなんとかするから」これが男性が母から耳にした最期の言葉だった。

男性は2005年、関節炎の一種で首から背部にかけて激しい痛みを伴う“ベヒテレフ病（変形性脊椎炎）”と診断され、誰にも相談せず病と闘ってきた。

最初の診断から10年を経た2015年、男性は家族に初めて病気のことを打ち明ける。病状はかなり進行しており臀部や首を動かすことができない状態で、レストランの調理器具を扱う仕事も失った。治療に専念せざるを得ないとはいえ、家族の生活は決して楽ではなかったという。

そんな息子の様子にひどく心を痛めた母親は、かなり前に加入した保険のことを思い出し、“30万人民元（約500万円）の保険金を息子の治療費にあてられれば”と自らの命を犠牲にした。

変わり果てた母親の姿に、男性は「母の代わりに私が死ねばよかったのです。こんなことをするなんて」と涙ながらに語る。母親は保険の期限が昨年11月に切れていたこと、自殺は保険の支払い適用外であることも知らずに亡くなった。

出典：http://www.sun0769.com
（TechinsightJapan編集部　A.C.）