カメルーン最大の都市ドゥアラの病院前で息を引き取った30代の妊婦。お腹の赤ちゃんは生きていたのにもかかわらず、病院は受け入れを拒否。その時、家族がとった行動とは…。
臨月で双子を身ごもっていたMonique Koumatekeさん(31)は先月11日、自宅で容態が急変。家族によってドゥアラのラクインティニー病院(Laquintinie Hospital)の産科病棟前に運ばれた。
母親のMarie Senさんが英『BBC』に語ったところによると、Koumatekeさんは病院内に入ることさえ許されず、当直の助産師に「妊婦はすでに死亡しているので、遺体安置所に連れていくように」とだけ告げられたという。
「しばらくすると遺体安置所からスタッフが来て、赤ちゃんはまだお腹をキックしているようだから遺体は引き取れないと言われました。私も必死でしたから産科病棟と一般病棟にもう一度助けを求めに行きました。でも、誰一人助けてくれなかったのです」と振り返る。
「そんな時です。娘の姪のローズがどこからかカッターを探してきたのです。双子を助けなくちゃって。ローズはみんなが見ている中、娘のお腹を切り裂いて双子を取り出したのです」とSenさん。双子の1人はすでに亡くなっていたが、もう1人は生まれた時にまだ息があったという。
悲鳴が聞こえる中で行われた生々しい帝王切開の様子はその場に居合わせた人々によって撮影され、その後SNSに投稿された。これによってローズさんと当直だった病院のスタッフら計4名が逮捕されたが、現在は保釈され警察は詳しい経緯を調査中だ。
この事件に関して病院側はコメントを控えているが、アンドレ・ママ・フダ(Andre Mama Fouda)厚生大臣は病院側に落ち度はないと発言。これに抗議する人々がフダ厚生大臣に辞任を求める事態になっている。カメルーンでは国民皆医療制度がなく、支払いができないために治療を拒否され死亡するケースがあとを絶たないという。3歳と5歳の子を残して亡くなったKoumatekeさんもまさにこのケースだ。
出典:http://www.bbc.com
(TechinsightJapan編集部 A.C.)