先日、“命の恩人に会いたくて、毎年8,000kmも離れたリオデジャネイロ沖の島にやってくるペンギン”についてのハートウォーミングな話題をお伝えした。こちらが考えている以上に賢いペンギンたち。このたびは“果敢にも旅を続ける孤独なペンギン”の話題をお伝えしたい。
英メディア『mirror.co.uk』が伝えているところによれば、そんなペンギンが確認されたのは南大西洋フォークランド諸島北東部の複雑な入り江を特徴とするティール・インレットにある居住区。群れや縄張り意識が強いといわれる中で、コロニーから遠く離れた迷子のキングペンギン(=オウサマペンギン)がテクテクと旅を続けているというのだ。
偶然にもそのペンギンの写真撮影に成功したのは、その居住区の住民であるポール・チャップマンさん(56)。妻ジュリーさんとともに釣りに出かけたところ、水深120cmほどの池で1羽のキングペンギンを発見した。さらに釣りを終えて帰宅する途中にある道路でそのペンギンと再会。恐れることなく車に近づいてくる様子はヒッチハイクすら望んでいるかのよう。最初に発見した地点からはフェンスをも乗り越えたはずだといい、ペンギンは隣町へと進んでいったという。
キングペンギンはコウテイペンギンに次いで大きく、体長は1メートル弱、体重は10kg以上。フォークランド紛争以来、彼らはそこで特殊な事情に恵まれながら繁殖を続けてきた。いまだ数万もの地雷が浜辺や野原に埋め込まれており、撤去が難しいことから多くの土地がドクロマークやペンギン・オンリーといった警告の標識が並ぶ危険エリアに指定されている中、ペンギンだけは体重が軽いために地雷を反応させずに済む。こうして伸び伸びと繁殖を続けた結果、フォークランド諸島には現在100万という数のペンギンが生息し、ウォッチングツアーの人気スポットとなっている。
出典:http://www.mirror.co.uk
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)